公園で うなじが気になる 雨宿り カーステ流れる 宇多田ヒカル
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最強王図鑑十冊積み上げてケーキに見立て振る舞う子ども
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「よろしくをねがいます」と書いてある名刺交換学活授業
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鮎釣りの 父に同行 遠足と 楽しむ母は  我が手本なり
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甘い蜜忍ばせたのち壊れてる事実を知ってあとは泣くだけ
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これ読むぞ 気合いで6冊 借りてきて 1冊目10ページ ふかくねむり入る
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とぼとぼと歩く我が子の尻ポンっと明日もあるさと自分にも言う
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わたしはねきっと今ごろセレブ妻あの日こいつに出会わなければ
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晴れた空。そのわりには さむい朝。 水無月はじめ  星 丁字草が咲く庭。
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「おはよう」と 若い大工に 挨拶し 律儀な仕事を うれしく思う
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建売の家はやばやと売れたるか洗濯物のベランダに見え
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眼の前のナースのせいか血圧の二十高きを訝りにけり
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台風の近づく浜に荒波の絶えず寄せきて轟にけり
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しもつけの揺れゐる庭の暮れはじめ吾が晩酌の時となりたり
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「先の戦争は自衛のための戦争」予備校の先生のほうが随分まとも
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イソップを読むワイドショーを真に受ける人々に勧めたい寓話だ
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グラスの中で蝿がもがいている男は取って捨てるとまた飲み始める
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ごちそうさま美味しかったと言えるのは心からなのかはたまたお世辞か
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エレベーター夢中になって見る君を見つめて微笑む私がスマホに
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シャッターを切るたびカシャっと音すれば画面に笑顔の君が映る
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白黒の中にカラーの店看板2列の並び目指すは鴨肉
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すれ違う色々ながら一瞥いちべつしいつまで残るか着物の文化
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ハイカラな生活求めて様々なものの発達明治の世の中
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桜舞う風吹く春の汽車ぽっぽどこまで行こういけるとこまで
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明治の世現代の世の礎のあかり灯るは鉄道唱歌
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ウインクをしてみてみればこうじゃない?君が見せる私と似た顔
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ピアノ型看板の色美しく音楽教室聴こえる音色
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柿の木の幹のカーブがなんとなく月光菩薩葉に隠れつつ
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真夜中にヘッドホンして爆音で流すSOUL'd OUT まどろむ
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言われたい放題の日々だ雪崩には降り積もる雪が前提にある
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