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しらふじあめ/あさもやゆき/市民プールの短歌置き場

可愛くて好きだったよときみは言う 今も昔もずっと変わらず
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やわらかいことばづかいが堪らない うんと大事にされてるようで
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女々しくて嫌いだ、とか言い切った 自分を守ることに必死で
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目の前にもっといれば良かった、と むしろ隣に行けば良かった
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目の前にいるきみが言う「目の前にいる人が好き」軽くあしらう
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誰でもいいはずなのにわたしなの? 急に名前を呼ばれてしまう
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どうせ女なら誰でもいいんだろ そう決めつけて突っぱねていた
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しょうもない短歌ばっかり産んでしまう 終わったことにまだできなくて
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死にたいと思った夜をやり過ごす方法 きみを思い出すこと
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いつだって鍵を差し出す準備して側にいる 全て一緒に感じていこうね
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人間は星の数ほどいるけれど星は灯りであまり見えない
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十四のときにきいたボカロ曲とかにいまだに救われちゃってる
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お酒とか薬で救われるほどのフェーズはとうに過ぎてしまった
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ぬるい昼 寂しい気持ちは消えないね このまま世界終わらないかな
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人々に逆らうように乗る電車 母校の制服笑う 風になる
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朝焼けをファミレスの窓から見る モーニングにはトースト二枚
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死ぬ前に食べたいメニューに手料理はあるわけないよ 孤独を噛んだ
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ハンバーガーショップで夜を明かそうよ 普段食べないやつを頼んで
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おくすりはそんなたくさんのんじゃだめ ラムネあげるよ一緒にいるよ
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しあわせは私たちには似合わない 街灯が消えるのを見ていた
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どこまでがきみなのかな 内臓のない抜け殻を愛し続ける
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からふるな形が浮かぶ消えるしてきっともうすぐ眠るんだろう
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おむかいのマンションの明かり眩しくて真っ暗にならない部屋 眠い
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星に太陽が含まれないように特別な名で呼ばせてほしい
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靴落とし橋に体重をかけて飛べないんだよ落ちるだけだよ
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しあわせ、だ サイズも合うし似た色の愛を持ってる人に出会った
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もしきみが死んでもわたしはずっと好き 通りがかりの花だとしても
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きみが飲んだ酒の瓶を持ち帰る 花瓶になって紫陽花が咲く
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雨降ると徒歩で来るきみと一緒に帰れることを期待する季節
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まだ夏は始まらないで 夏を始めるときはきみと迎えたいから
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