今日もまた見知らぬ街を歩きながらあなたの名前を探しているの
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カーテンになびいた夕焼け憂鬱と孤独をかなぐり捨ててオーロラ
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年寄りの夫婦が住みし家の門 若さを誇る雪だるま居る
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朝6時 酔漢ふらふら千鳥足 夜勤明けならお咎めなしで
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「地球の丸く見える丘」ってありまする 千葉県銚子の岬の端に(猫好き様に返歌)
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天高く 冬の月る たった一つ 欲しいがための あり余る似非えせ
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孤高なる月に吠えるや病む犬のこころなぐさむ清けし満月
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助けう 人 助けても 裏切られ くやし涙す この世 悲しき
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優勢の勝負手君の乾杯へ復活なるか冬でも熱い 
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ドキドキはあの娘のせいと勘違い春よ寒さのせいの動悸よ
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風邪のせい?眠れぬ夜が続く日々 虚ろな頭で二度寝を探る
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春来れば庭を彩るムスカリの優し紫指折りて待つ
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冬の陽を背に受け目覚む。机上なるモニターに医師脳いしあたまの文字、思はず苦笑
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苅田には 寒雀の群れ騒がしく 北風に耐え 小春日を待つ 
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透明なキリンにエサをやる仕事 どこでニンジンは見えなくなるだろう
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食べかけの 玉子サンドが テーブルに コーンスープは まだ温かい
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色彩の輝くほとりの水を撫で冷たくもあり温かくあり
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お前には考察の余地も残さない 不完全な愛の作文を
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「体調はいかがですか」と声かかる 女子医病院今日も優しき
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若く見え 年相応は まだ先で 見た目年齢 どっちがいいのか
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あらたしき 年の初めの 望月もちづきあふぎ見るとき 悔やまれる 言えなかった 「月が奇麗だね」
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死に様を こうだと決めた あの日から 恐れも怒りも 私を離れた
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青い光青い光に包まれたい三年日記をカートに入れる
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犬と猫 どっち派なのかと聞かれたらどっちも苦手と答えるタイプ
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もし今も間違いじゃなきゃ私たち抱きしめあって泣いてしまうね
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マチアプで会ったあの子さ、やめとくよ 髪でポテトを摘んでいたし / 日常の怪
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水平線見える海まで連れ出して地球は丸いと思う海まで
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買い物も楽になったし良いじゃない身の丈と言うしあわせ具合い
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欲しくても手に入らない物もある要らぬ物さえ拒めぬけれど
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どうしても眠りの森へ入れない ウルフムーンにえてみようか
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