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夕刻の暗闇迫る郊外に無灯火のままスマホ見る君
6
九時半に床に入りたる幸せを 二時に目覚めて
二時
(
ふたとき
)
まどろむ
7
年賀状 返信用の 葉書には 自作の馬の イラスト挿絵
5
朝早く 職場近くの 駐車場 ポールを下げる 凍てつく作業
3
何気なく 弁当袋 動かせば さっと戻した 七色の虹
3
たくさんの言葉を並べて伝えても伝わったのは言葉だけ
3
君の言う「なんかばっかり」 ナイフです 短歌ばっかり あいすみません
12
ねこたちは おやつもらって まんぞくよ それぞれのばしょ ねんねするのよ
16
元日の相棒見ながら ぐったりと 布団かぶって 体力温存>明日病院ふたつ
18
公園の敷地半分削られて なんとか残った遊具のパンダ
28
一回生暗い茶色が臆病な君の一歩をあらわすようで
3
お菓子でね家を作るなら大工さんパティシエさんの共同作業
4
冬服は地味な色ほど暖かい今日もぬくぬく根拠はないけど
3
誕生を今か今かと待たれる児生まれる前に既に幸有り
15
錯乱母、異稚児、パパ嫌に聞こえる ふざけてないことが怖くない?
4
夢を見てばかりいられるわけでなく夢を叶える力も持たず
5
友だちを 大事にするとか しないとか 表に出すって 友だちなのか?
3
幸せが くる年までは 難ければ 晦日限りの 命ともがな
7
温もりぬ冬の日差しに包まれつ 咲きぬアロエの細く
朱
(
あか
)
き花
26
その傷の凶器が言葉によるならば 治し方はまだ見つかっていない
9
公園の子供の声を騒音といわぬがほんとは思ってしまう
7
降る雪が全部積もらぬタイプなら求めていないメルティーキッス
4
昼休みいびつな四角のコートの中で上着脱ぎ捨てボール投げつけ
3
選抜隊いよいよ遠征 門出の門 険しき山の魔獣へ挑み
14
今日バスは雪で止まったそれなのに凍えるバス停無表情
4
降る雪の
華
(
うた
)
は結晶 手のひらで溶ける煌めき想ひ滲ませ
18
日が上る 午前六時に 目をつぶり 母出勤の 音を聴く
5
ひび割れたアスファルトに雨染み込んで タンポポさいたタンポポさいた
7
六角の冬は結晶 春は溶け桜は五角
薄紅
(
うすくれない
)
へ
17
耳の底 残るあの嘘 消したくて ついやり過ぎる 耳かきの癖
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