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あの夏に連れていくのだ心臓に染み付いたまま止まないマーチ
5
数学が 得意な君の
背中
(
うしろみ
)
と わが指先の 間に漸近線
15
パソコンにGPSを取り付けて頭上をめぐる衛星を追ふ
7
瞳孔を開く目薬二十分で世界の半分ぼやけ始める
3
マンションの間取り図ベッドは二台なのになんでデスクはひとつなんだろ
4
マイケルの睡眠障害の記事読みながらトリアゾラムを噛み砕いている
2
長男
(
こ
)
の帰省 雨夜の運転案じつつ好物作ってビール冷やして
22
高原を駆けるときには呼ぶからね たやすく裂ける皮膚を張ってね
1
触れることすら叶わない人並みの幸せ 手には入らないもの
4
弟がついに結婚してしまい小姑になる素質すら無い
3
うたかたのログイン情報登録し 今日から始める和歌の道かな
9
子が乗車に飽きぬやう スマホの動画より聞こゆ お歌に癒さるる
17
蜘蛛の巣の網目に銀の
雨雫
(
あましずく
)
輝き放つ小雨ふる歩道
22
水槽で泳ぐ金魚を懐かしみ 今はスマホの中で楽しむ
11
「謝罪」する横一列でおじぎする この形式で禊を済ます
11
たましいをやすりで撫で回されてるみたいな日にもきみはやさしい
17
食レポの「鶏肉みたい」にうんざりす 鶏が好きなら鶏を食べろよ
10
鏡越しの知らない顔 貴方とあの子が二人仲良く幸せいっぱいで笑っている
2
食レポの「甘い」という語にうんざりす 甘いがよければ砂糖をなめよ
10
この気持ち かけがえないと 言ってても 僕の代わりは まだいるようで
2
あの頃に もどれるなら もう一度 入道雲は 陽の下に
3
腕組めば
匠
(
たくみ
)
らしくと見えるとぞ 言わるるままに胸をそらしつ
8
匠
(
たくみ
)
とふその人たちはかならずや 腕を組みたるポーズを好む
13
二の腕を小雨にさらし帰り道 人肌ほどの燗酒恋し
16
イベントの 中止相次ぐ 週末も デスクワークは 中止できずに
18
抱えたる 個々の事情に 遮られ 歴史の闇は 晴れることなし
8
帰りたい もう疲れたな 帰りたい 家に居るけど まだ帰りたい
16
調整が前提らしい 店の味分からないまま食う麻辣湯
10
私に優しい貴方があの子の前でだけ少しだけ優しくない顔をする
4
夏祭り 暑くて熱き「焼き鳥」の当番つらき歳になりぬる/そろそろ打ち合わせ会かな
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