二十億 光年にアトム 詩を記す 谷川翁は 果てへと向かい
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年齢を重ね感性老けないすてきな言葉紡ぐ方だった /谷川俊太郎さん
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笑わせるつもりなくともまわりの笑い誘うわれこのまま生きてく
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天国より 近くにいると信じたい 春を待つぼく 冬を迎えて / 谷川俊太郎さまへ
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あぁどうか 春の香りになっていて 私はあなたが だいすきだった / 谷川俊太郎さまへ
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林檎の実 年々大きくなるけれど 種は昔と同じ大きさ
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今日もまた 洗濯ばさみが割れるのは 再生原料混じりし故とか
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木枯らしが運ぶ寒さに推しを想う きみはそろそろ冬毛だろうか
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一回の散髪料より安い値で 売られているよ 電気バリカン
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取り返しつかぬ失敗あれこれを しきりに思い出してる老後
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魂のキャッチボールに見えたので君との会話はいつも方舟
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冬が好き夜の長さを知らなくて想う長さもまた知らなくて
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真夏より熱い炎を帯びた夜蜜月の蝶遥かに遠く
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真っ先に 自分愛せる 人でいて! 弱音もOK 国際男性デー
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かっこいい古着を着ているわけじゃないただ物持ちがいいだけなんだよ(年季の入ったMA-1)
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冷えたから色んな「寒い」が並ぶかと思うも楽しうたかた開く
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待つ人は駆け足きたるつむじ風白線内に軽く息巻く
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雪景色 から車にて 参時間 つち黒ぐろと オホーツクの丘
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腹の虫ぐぅ〜っと鳴いてまだ朝に赤面の頬昼よはよ来い
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年老いて 思い出すのはいやなこと それでも生きて 楽しんでます
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「寄付金を払ってないから行かせるな」 祭りの前夜 父が母に言う
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「あかちゃんがゐない」とさわぎわらいあい五本の指の手袋をつけ
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初冬の東の空は赤やいで誰かが送つた朝を迎えり/谷川俊太郎訃報に寄せて
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ステージのスポットライトの陰は濃くNumber_iは紅白に出る
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教育が 及ぼす危険と素晴らしさ 一度に味わう 冬暁
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寒いねと 友とLINEで言い合って 気をつけてねと 労り合ひて
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湯に浸かり 爪あと あちこちしみるなぁと 思へど ねこは いとしきものよ
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朝になり布団から出て立ち上がる床の冷たさ素足にしみる
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強盗も 空き巣も恐い だがしかし ニャルソックが 心のお守り
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戸のすきま白馬のよぎる一瞬の夢まぼろしの世をわたりゆく
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