君を乗せ深夜高速向かうのは 瞬く星が降り注ぐ場所
9
「席譲れ」「だるいから無理、他あたれ」みんな被害者いちばん競う
4
あの話? なくなったよ? と見返され まだ期待していた自分知る
7
クラクション子など不要と歯を剥いた 赤信号が渡れぬのなら
5
ドッペルゲンガーになって私を追いかける イデオロギー書き換え鬼ごっこ
7
よく冷えた地表を覆う暗闇の、まばゆい星のさきにいますか
9
ホームドア 置かれるまえの 僕たちは どうして落ちない ようにしたっけ
6
舟を漕ぐ母が歌いし子守唄 眠れぬ夜は胸に起こして
14
へるめっと わずかにとどかぬ せだいだが NSAてをだし ひそかにはじる
12
大人とはどの年頃の言う目線われ水底に沈んだ歴史
16
にぶいので あんびばれんとの エモなんか よみとばしてた わたしはおろか
9
様々な葛藤あれば勝つことも過ぎ去る事だ負けも恥じない
11
ドリップの一滴落ちるその場所が肥沃な土とシンクしている
14
『掃除して くれてありがと』 言われたが 掃除したのは 一昨日おとといですが
11
商品はレジを済ませりゃ放置して帰宅の途端にも一度エンジン
17
にびいろの冷たい空に湧き上がる憂鬱の霧わたしを閉ざす
41
傷アリの 柿が安くて まとめ買い 甘く美味しく 中身は大事
21
続きたる夫の署名の代行に自分の名にも夫の名書くとは
20
義にそむき赤の金剛杵ヴァジュラを世に放つ君に Viva la Vidaヴィヴァ・ラ・ヴィダ 投げ返す
10
新鮮さ忘れぬ君はいつまでも輝くようで目が合えない
6
いつまでも一寸先の闇色を確かめる目を欲しがっている
7
アレに沸くひっかけ橋の往来でいつでもきみはゴールインした
4
6本目の灯りをそっと携えてYan-gant-y-tanと夜をさまよう
4
ひとつずつくすりが増えて肉体はあまりにもまだ物質のまま
9
もりの奥 季節外れのホーホケキョ 百舌鳥もずの鳴き真似なかなかやるな
22
かの人を育てた町が舞台ですドラマに彼女の訛りをきいて
8
帰りの電車空いてる、座れて、8人中7人携帯と会話
9
誰よりも 自分大事にして欲しい あなたの代わり 居ないのだから
10
紅葉と 林檎の土産 長野から 知らない土地が なぜか懐かし
11
可愛くて単純至極清らかでそうしたものを密かに愛でて
13