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投稿数
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住所欄 部屋番号は君にだけ教えたいから空欄にする
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海を見に行きたいと思う 窮屈な空には飽きた 車を出そう
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くしゃみするたびに揺れる脳 カクテルのように混ざって力がでない 
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思春期の自分のようで 頑なに 笑顔になるの恐れているの
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ほら言った タイヤ交換しなくても 雪が私を避けていくのよ
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寒波と入れ違いになった 車窓より 雪と雨との境目を見る
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おいでよ、と心を撫でる声がする 乾かぬ瘡蓋隠して向かう
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旅人のつもりで街を歩くなら すっぴんでいい 心の中も
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プライドがクソ邪魔なんだよ私には 少しは愛想笑いでもしろ
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コーヒーにまざる怒りとむなしさは トイレで捨てた 午後が始まる
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じりじりと 嫌な温度の汗をかく 休めない日の頭痛のせいで
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エアコンの努力虚しく廊下には床下からの冷ややかな風
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告げられた飲み放題の延長を 氷の溶けきる梅酒で押し切る
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誰しもが私に興味ないのでしょう グラスの汗を拭くだけの時間
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この部屋は私の部屋ではないのかと ベットシーツを足で引き抜く
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君と会う頻度はさして変わらない されど感じる距離とさみしさ
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ホテル住まい 出張族の”さだめ”だが そろそろ家の枕が愛しい
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ストレスが溜まると食べなくなる君と 食べるわたしで 質量保存
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決めちゃったほうが楽かと思い切り もしや2択を外したようだ
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君がため 優柔不断は責め難く でも流石にさ、もう明日だよ
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鶏ガラとコンソメ混ぜちゃダメなんて誰が言ったの いいじゃん別に!
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私だけが知ってる街に私だけ浮かんでいるの 心地がいいの
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カフェの窓 人の営みおもしろく 小説より奇なりとはまさに
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「この店は冬の白子天がうまいの」冬まで一緒にいられるかしら
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水を飲め 睡眠をとれ それすらも ハラスメントと 言われ泣く母
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LINEではつながってると思えても しゃべるとどうもうまくいかない
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それを見て かわいそうだと思うなら 私たちは一緒になるべきだ
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「畳だと一杯ひっかけたくなるな」隣の席の爺がつぶやく
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糸玉を編んでほどいて 人生も 手仕事だけがしあわせの鍵
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帰っても帰りたいとは何事か わたしのほんとのおうちはどこに
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