米騒動 遠く離れた 丘の上 配給拠点に 鉄の雨降る
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虫の子は破れた身体のうみにいてのたうつことなく斃れていたり
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「悪い」だなんて勝手に言われて拒絶され嫌われる「私の不安」
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梅雨入りの間近 つぼみだ眠り ゆるりと育つ 我が月下美人
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片付け中、カゴと見るなり入る猫。私あなたをずっと愛すよ
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よくねだられ「おねえの辛辛カラカラスパゲッティ」 もう作り方も忘れたけれど>学生の時分は、よう作ったった、チャーハンとか。夜食(笑)
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芒種のころ 誕生日のくる実弟おとうとよ ちなみにわれは 立冬の生まれ
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ぱっちりの おめめで ねこがみつめてる きたいのまなざし なにが ごきぼう?
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起きぬけのザァと通る天気雨今日はベンチに座れるかしら
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雨カゼは天のふか愛定期便来なけりゃ皆んな忘れたまんま
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きみおも 幾度ゐくたひゑし かなよる またまで まくるめはや
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この胸の小さなトゲがひとつ取れ ほんのひと時気が楽になり
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梅雨前の僅かなチャンス逃すまじ 布団洗濯物ほしもの晴れ空のもと
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何度目か 出して使つてまた干してはためひてをり羽毛の布団
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鏡見てこれが自分だと思えずに 三十余年生きてきました
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銀色に光り輝く森タワー 早起きの朝は気持ちがいい
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これからも僕らのラッキーナンバーは永久不滅の『3』であれかし
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うぐいすの 声に癒やされ 写経する 墨の香りが 朝に溶けゆく
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庭隅の日当たり悪い紫陽花もやっとピンクに染まる水無月
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「ミスター」と呼ばれしひとの享年が偶然にせよ八十九歳はちじふくとは
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目覚めては窓を開放陽を拝むこれでいいのだ自力本願
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さよならのスイッチ押すね だいじょうぶ消えるのはわたしだけだもん、ほら
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時折りに 家族の記憶 目に触れて 揺れる心の なきこともなし
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どこまでも 平行線の かの人と 生活分ける 先見えぬ道
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秒針の音に囚われ 振り向けば 君の面影 朧になり逝く
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真っ白な 曇った空は 嫌だけど 真っ青な空も あまり好きじゃない
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澄み渡る夕空に 上弦の月 梅雨入り前に眺む ベランダ
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あの人に 気持ちを 短歌で伝えたい 熱い想いに 我サポートを
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野辺に咲く薊あざとしいつの間に 指で触れなばチクリとぞ刺す
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ぬか床をかきまぜた手に残りたる 何の匂いか祖母の匂いだ
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