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大国のエゴ 小さき国の望む当たり前の平凡な日よ いつ
5
盂蘭盆の 祭りの
燈
(
ともしび
)
連なりて 彼岸の貴方 此岸へ
誘
(
いざな
)
う
7
消しゴムに刺さった芯を擦るたび無数の星が文字を引き裂く
6
つゆほども先行き知れぬ気のままに
精霊雨
(
しょうりょうあめ
)
は日を延べてふる
10
無愛想で知る爺を溶ろけさす、孫の居る猛暑の夏休み
11
深々と森の湿度を吸い込んで 空きっ腹で呑む白州の酒(工場見学)
19
ひがてるも かぜつよくして ふきぬける すきまおおいは あぜくらいらい
9
昼前のコンビニの客足は
疎
(
まば
)
ら 帰省ラッシュの
最中
(
さなか
)
の御盆
24
淡く濃く はじまり色を 重ねゆき 深まる想い いとしぬくもり
12
欲しい苗ネットサーフィンして来ればわたしお金も場所も無かった
22
深夜十二時まで画面は点灯 おやすみは明日起きる勇気
5
祝日のエレベーターが あまりにも焼肉臭く 外出やめた
7
ドローンが撮りたる秘境観ていると行きたくなるも飛べなきゃ見えぬ
13
山並みが 重なるはるか 遠くまで ここにいるよの 木霊を待って
/
山の日
32
腕の中にいるのが誰かなんてことどうでもいいや夜29時
7
綾鷹の緑流るる身のうちの我らを励ます立秋の空
7
吾の友は
息子
(
こ
)
の友の母黄泉へ立つ無口な息子と沈黙の会話
17
耳元で「予定変更」「最大限安全確保」を聴きながら寝る/ラジオ特別体制
21
リポDを飲むほどじゃない 遠出しない ただ駅前のカラオケ行くだけ
17
ミニマムが素敵素晴らしわかるけどパーマをかけてマキシマムヘア
6
南国の恋人はマフラーを編む 祈りがグラスの氷を溶かして
6
同じ場所同じ時代に同じもの同じ感性同じ生き方
8
もつれたる記憶の断片手繰り寄せ 立ちすくみおり 人生の淵
21
飲み慣れぬ麦の恵みを胃に受けて眠れぬ夜を過ごす怠惰と
12
白桃とプラムの香り 線香と夕立あとの路上の香り
45
シュレッダーにかけた過去がまだ腫れたままのまぶたに積もり続ける
7
雨降って喜んだろか青稲は わたしは少し憂鬱だけど
9
傘の中 雨粒が叩く音楽が好きだったことも思い出そうね
6
車窓から嬉しそに手を振る人の 先にも手があり それを見ていた
10
忙しない駅で何かを忘れたような まさぐるポケット 切符の角先
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