お上への 批判集中 そらすため  民の対立 煽り煽られ
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免れぬ老いではあるが胸底に忘れたくなき乙女心よ
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「あれー」っと短期記憶があやふやで脳裏をよぎる認知の二文字
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毎日を掻き分け泳ぐように生き 沈むように静かに眠る
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あまいもの ひかえているが オレンジを ほうばることの よろこび充足 \週一 欲望煩悩を満たすこと
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しぶき降る滝カフェテラスの青もみじ傘の如しに枝葉を広げ
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歩道来る自転車の子に譲る道 会釈涼しき夏の朝かな
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午前九時すでに蒸し暑き庭先に蝉の声なく遠くにサイレン
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若き頃 寝起きの悪さに四苦八苦 歳重ねれば苦にもならねど 
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歪んだ視界とふらつく足元と汗ばむ背中が鬱陶しい朝
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蒸し暑い 湿度が高い 熱帯夜 何度経験 しても慣れない
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いつもより 低い目線を 更に落とせば  光るペディキュア 君と初めての夏
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祈り込め やたら丁寧にハミガキを 「祈る夕べ」の名に恥じぬやう/「ねこのあしあと」当時の筆名は「祈夕きせき」と申します
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三人で 過ごした日々は 還らない たかが半年 されど半年(同人誌「ねこのあしあと」〜子供の体温〜より、五首目)
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けふ勝っても負けても 明日はやってくる かならず最後にメークミラクル
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この辺にゃ日本人すらいなくなりそーなんだーとファーストを聞く
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まだ続く逃げる毛を追う床を掃くマリちゃんだいぶスリムになった/猫
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五千円の重い掃除機換えたいが重い以外が優秀なんだ
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スカッシュかサワーかソーダかサイダーかウィルキンソンは解るだろうか
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大葉買う赤紫蘇も買う初めての夏の冒険来客に出す
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北国の夏は刹那に駆け抜けるあの日の汗はきれいだったよ
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低気圧 陸にいながら船酔いのごとくに揺れる我が身のふしぎ
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「走り屋」は商売なのか? だとしたら どなたのためのなんなんですか
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溢れだす涙の色に魅せられて、このまま二人迷子になろう
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花の色は移りにけりないたずらに去年の兵庫のことは忘れて
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床屋さん夏限定のスースーのシャンプー逆にアチくないすか
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傘ささず買い物帰りの幸せを味わえたけど腕は痛いよ
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ひとときの安らぎを得て明日もまた 暑さに耐えて一日頑張る
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アルバムの写真を手繰る手をとめて あれも楽しき これも楽しき
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セミは鳴く やがてはつきる 僕は書く 終わりがない いとおしきもの
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