Xに溢れかえる罵詈雑言 君が居たなら無視できたのに
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師走なれど我はゆるりと出勤す。令和五年の仕事納めに
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母猫は 壺に入りて 家帰り むせびて言うは 好きに遊べと
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あの夜に言いかけていた言の葉を今なら聞いてみてもいいかな?
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夢で見たあなたが今日は泣いていた あなたも僕を想い出したの?
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ストローに咲いた口紅手で拭う いつかのカレを隠すみたいに
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君の手で支えきれない悲しみを私に少しあずけてください
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シブースト甘みの中に酸いを知る二人で行った日比谷のキハチ
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再逢さいかいの夜は辿ろう歳時記ノンフィクション 過去の二人の記憶おもひを一緒に
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温かい記憶の道を思い出す あなたのもとへ辿った轍
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めぐり逢う一目で君と気が付いた もう隠れるな上弦の月
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頼りたい温かいそのこころまで今夜は君の背中にもたれる
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もしもまた出逢えたならばその時は君の名前を呼んでいいかな
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前のめり ふらりふらりな 足取りで 夜に溶けゆく 企業戦士
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爆裂の止まぬ世界に生きてなお希望を捨てぬ子らがいる
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寂しさと面倒臭さの繰り返し 溜まるLINEは心の重荷
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ベッドから出たとき既に18時 これが幸せでなくてなんだよ
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母猫の お骨を安置 するべくと ケージを洗う 真冬の夜に
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年末も年明け来ても変わらずに貴方とぴったりくっついていたい
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あなたより楽しいことが多すぎてあなたのことは忘れてしまった
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訪れた寂しさがこの寂しさを塗り替えていく いい夢だった
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冷えわたる 朝の気配に さらされて 春待ちわびる 桜のつぼみ
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実験国家アメリカの統計室に羊の心理左右されてつごもり
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テロリズムの貫徹。冷血漢の花黒く染まりぬ「英国へ殖民地を、」
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暗殺犯銃撃に含み笑ふわれ 死してかへれ日本産豚肉の豚
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利益こそわが櫓 国際通貨基金曰資本のものは資本へかへせ
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主義といふ銃弾を撃つ資本家の死屍累累と 唯神に殉ずも
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プロレタリア投獄されて長々しある島国の平和なる日々
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精神病院1983年の手記。より愛を込めて――、アール・ブリュットなどに興ずる昼を。
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色紙回されもう少し 字が上手ければと後悔する サインペンは書き慣れない
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