シギュンから奪ってみせます絶対に 神話の中の初恋の人
3
インスタレーションより君の香水のミルキーの匂いだけ憶えてる
4
帰り道変な看板見つけたと 知らせたくなるのは恋ですか
8
降り積もる雪の分だけ数センチ上の世界を歩いている
5
黒船を知らない君が好きだった 僕が全てを教えるからね
5
あの歌の漠然とした「君」という人間にして あなたの中で
6
母親はどんな不出来な子供でも叱って終らず逃げ場になりたい
15
保護費から小遣いせびる小娘とラインも読まない息子が居ます
11
お母さん今お金ある?なんぼ要る?五千円でいいよ。悪く育てた
9
もう疲れたな 木陰で心臓も一緒に休もうよ
3
お歳暮を買えず渡せず年の暮れ頼る人無い不自由な体
10
夢ばかり見てないでもっと現実を見なさいと言われ続ける人生
4
俺といるときよりあいつといるときの方があの子は楽しそうでさ
6
目の前でいちゃつく2人を見せられて 僕はひたすら寿司を食ってた
6
夜空から 月の明かりを 盗んでは 世界を脅す 午前二時過ぎ
4
凍てつ夜 今年最後のゴミを捨て また来年のゴミを買いゆく
4
悪事のみ次々並び死してなお汚名のかぎり高まりて行く
9
『頼むよ』と花屋の息子のパシリ中ミラー曲がった俺のプリウス
6
このひとの 全体像を しってたら むだな感情 時間つかわぬ /修正しまうま
9
半年でおむつが取れて語彙が増え広がってゆく小さな宇宙
14
居酒屋に天ぷら食べに行きました ビールは2杯で ぷち忘年会
7
年内の 仕事は今日で 無事納め 仕事初めは とっくに忘れ
4
暮れ方の風に 焚きしむ抹香と 勤しむ人のかげすがたかな
5
置き去りにされた感情 軒並みに枯れた感傷 割れた残響
6
Xに溢れかえる罵詈雑言 君が居たなら無視できたのに
4
師走なれど我はゆるりと出勤す。令和五年の仕事納めに
3
母猫は 壺に入りて 家帰り むせびて言うは 好きに遊べと
7
あの夜に言いかけていた言の葉を今なら聞いてみてもいいかな?
19
夢で見たあなたが今日は泣いていた あなたも僕を想い出したの?
11
ストローに咲いた口紅手で拭う いつかのカレを隠すみたいに
12