不覚にも少しときめく ニセモノの広瀬すずからメール届いて
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公園に早く着きすぎ 汗拭き拭き おまつりの開始を待って様子見
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きみのこと「かわいい」以外で例えてみたい かわいい毛並みのかわいい子猫
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カラオケで ピンクレディの UFOを キミは真顔で 歌って踊る
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水平の地平をかけるこがね色の毛並みの犬よ永遠であれ
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ねむるまでニュースから目が離せない何度も見たくないのもあるが
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バス停は人影も無くこの夏を閉じ込めるよに降る蝉時雨
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プッシュ式ニベアのとなりシステマの洗口ボトル何度か惨事/離せよ!
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寝過ぎても睡眠不足も大差なし睡魔は不意に来たりて襲う
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人間は憎み苦しみ鬼となる「黒い炎に呑まれちゃダメだ!」
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千円の寿司ランチ 母と舌鼓 赤だしは良き カタラーナも良き
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スイーツを見た時・猫に会った時。どうして同じ表情かおになるんだろ
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風が吹き昼寝をせよとはやし立て期待に応えて横になる午後
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野菜一 可憐な花はと聞かれたら ハゼランとしか 答えられない
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白黒の テレビが我が家に やってきた前夜眠れず月光仮面に大喜び
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今シーズンいちの猛暑の 葉月末 長引く夏の 最後の足掻き
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抗わぬ生き方覚えし我なれど エアコンは点ける 許せよ、酷暑
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夏季プール 終わりの時が 近づいて 水面を通る 風は秋色
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国道の フェンスに咲きし 朝顔が 夏は続くと 語りかけてる
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愚痴一つこぼす夕暮れ茜空ひぐらしの声みちてくるなり
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耳悪し 二人の人が 電話して 通じているかは わからないまま
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秋ですよまだそんなこと給付金口座ひも付けて待っております
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迷わずに小さな一歩重ねゆき山越えしのち大海ひかりぬ
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諦めぬ小さな声が響き合い国を動かす炎となる
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さらば夏声尽きるまで鳴き続け空へ溶けゆくいのち儚く
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宿命は努力の果ても届かねど運命ならば変えて生き抜く
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「その服がいいね」と僕は言ったけど うっかり腕の 時計をチラリ
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記念日を覚えてくれて燗つける今宵は早めに久しぶりに
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朝月夜夢中夢むちゅうむ覚めし東よりかすかに薫る明日のけぶり
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良き豆がそれぞれの風薫らせて 淹れる悦び溢れる幸せ【後編・店主】
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