国分寺 乗りかえ迷い お隣の 女性に尋ね 礼も忘れて
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緊張で 誰もしゃべらず 降りるとき あずさの中で 頭叩かれ
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日々ノルマひとつ足りない口惜しさ「んん〜」と巡らせ無駄を探して
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トイレット ペーパー垂らし 町中を 歩いた妻に 文化勲章
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風当たり 刺さる冷たさ耐え切れず フードとマスクで己を守る
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雪舞いて 音をのみこむ 冬帳ふゆとばり
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水面にビッシリと氷 藻の蔭でメダカは ひたすら 遠き春を待つ
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夕球火の星を眺めて注ぐダージリン来来来世で移住しようか
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グラタンはホワイトソース作りから認知予防にせっせと料理
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カチカチと音をたてて突きたてる 白い柔肌 赤色の痕
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消費する 時間と食糧ひたすらに ソファは僕の充電器なり
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母眠る十勝おとなう飛行機とバス予約して待つ春彼岸
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決めたなら貫いて御覧その愛を 百夜の花を抱いて待つから
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また今度 予定が合えば また今度 互いに避けてる 会ったら始まる
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募金箱 首を傾げるレトリーバー鼻ズラ撫でてチャリンチャリン
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胸の上の猫のゴロゴロ聴いている 重くて熱い命というもの
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まだ先の春に全てを託しつつ羽を広げる途中のアオサギ
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「生まれてこなきゃよかった」だれもが抱く平凡な感想に泣く
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「好き」なんて口に出したら壊れちゃう曖昧で脆い細いつながり
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悲しみに遭わないよりも遭ってなお笑える生をあなたに願う
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幾年月 古りても思う 紫の 長き君の影 金色の野も
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目の前の母には言えぬさびしさを男に抱かせママとハグした
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晩年の祖母の過ごした施設にも 今頃咲くか 睦月の蝋梅ロウバイ
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僕ポスト今日もお外で待ちぼうけ文よ来い来い愛しい文よ
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人として生きるためにはまず人として生きたことない今を知り
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「成長」の文字の重さを知らぬまま雪はらひつつ二十一なり
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心まで凍りたかった コンビニと季節外れのガツンとみかん
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羽田にて夜景横目に着陸し忘れたものは空飛ぶ心
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音もなく気配もなしに泣いていた「優先席」のステッカーたち
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「第六の味覚を見つけた」何気ない日々に潜むは愛のdelicious
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