晩熟を滴る麦と稲が穂のふたつわかれになりにけるかな
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白日に蒙昧の砂礫 吹荒び 詩人が猿に能面を鬻ぐ
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鉄面の微笑まふこと鎚もてる板金工の手に撓みつつ
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ぼくはさあ!センスがないからこうやってタンカをかいているんだよおお!!←落涙
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トートロジー。耶蘇が「イエス」と仰るとJesusがyesにな☞指示記号
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死して尚「赦す」と微笑わらう貴女への思慕を綴れど褪せぬ罪咎
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効いてくるたびに心も物質にすぎないことを突き付けられて
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PTPシートの数が増えていき危うさだけが静かにつのる
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あと一歩が踏み出せずにいた人の背を押してあげたよ崖っぷちから
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気づいたら小さなお口に光るモノ 真珠のようなかわいい乳歯
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国葬もして見送ったその人の 派閥は五億裏金パーティ
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異化効果なんて古いなぁ、きみ 今はリアリティ・ラインの時代だよ、きみ
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波誘う 人目のつかぬ 帰り道 自分の業が 喉を締め付け
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公園にコックピットが落ちていて「燃える」のほうに捨てるか迷う
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喪った朝より晴れて私たち新しい季語となる ようこそ
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雨と晴れ 交互の空と秋の気温 いろいろ戸惑う午後の出勤
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年内にやり残したこと まだ多く 今年の思いは今年のうちに
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ねこたちに半日留守番させたあと 無理ニャン題くらい聞いてやりたい
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人生の帰り道は君とがいいな
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一輪の花の床の間さびしくも いまのぼくにはしっとりなじむ
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じゃが芋の中に空洞有るかなど分かるはず無くままよと選ぶ
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むずかしき知識もなくて感性は歌詠みはじめつややかなりや
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あさまだき金星のてらすみちつづく 通学六年孫たくましく
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おあずけよ妻ストライキ 佳境なり朝ドラタイムぼくもつれあう
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世界デビュー 一番ビックリしてるのは  デコピンというワード自身だろう
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「飲み放題」ワクチンのような響きあり 酒・生・ワインの「三種混合」
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四年ぶり忘年会の嬉しくて「リアル」さかずき友らと重ね
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組長が料理に凝って出汁を取るためにやたらと指を詰めさす
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やりたいと出来ぬの狭間もどかしく靴を履いたりチャック締めたり
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いつもより早く出る子を見送れるかどうかのタイムトライアル中
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