タヌ猫が そこでおかおをあらってる あめふるのかい? いやいや晴天
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スクラッチ 5連勝中の わが母よ そんなに当たるもんでもないのよ!(本来)
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時刻表 るるぶを携え 小旅行 あのわくわくが  今はもう無い
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爪先もかかとも削る覚悟なくシンデレラの姉にもなれない
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トライアル 見切り時間を 教えます 朝6時から 4割引に
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言葉など無くても れるだけでいい 猫に伝わる 人の気持ちは
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鬼退治行くはずだった桃太郎 僕のお供は「居ぬ」「去る」「来じ」
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庭隅のチョコレートコスモス地味なりて秋の風情に合ふと慰む
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朝6時世間が動き出してない気でいる私早く起きろよ
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公園の木陰のベンチに赤き葉のふたつを伴に秋を思ひぬ
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炎天にミニひまわりは萎れ咲く輝き薄くも我が子と思う
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陽が落ちて 辺りが薄っすら暮れる頃 鈴虫の声涼しく聞こゆ 
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炎天下 アスファルトより 陽炎立ち 蝉の声さえ 重く響けり
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八月の 葬列に並ぶ 蝉達の なき声きこえ うるさいなあ
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「濾過できない思いはやがて結晶に」十代最後の自由研究
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珈琲の香りで巡る世界地図 玉飾りる高原の風【中編・客】
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ぬくもりが 途切れた筒に 乾く蜜 何がいいのと 目尻は笑う
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今わたし 右ストレートを打ったのよ あなたはダウン 夢だったけど
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ひらかずの 蕾に水、と 君もただ 根腐れ待つか 枯らして留める
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実家には ベビーパウダーシッカロールのあることを ねこ母 なんとなく覚えてたのさ
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あさ目覚め歌が生まれて働いて夜風に吹かれてまた生まれ
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ひとねむり タイムマシンか いつかの日暮れ
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君の背に君のこと詠んだ歌を書くようなイメージで微かにたたく
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わが太刀たちは抜くも虚しき無銘刀 月みて流離さすらそ似たりけり
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月うさぎ戦国時代の本業は 餅つきじゃなく刀鍛冶かも
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帰り道君と他愛のない話世界はすこしやわらいでいる
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豆乳でココア薄めて飲んでいる鎮痛剤も飲んでいるけど
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今日起きた嫌だと思うようなこと 心の地下室に閉じ込めにゆく
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ひとの手でゆるく畳んで返されてなんだか照れているエコバッグ
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ゲロ千回 ここまで吐くとは思わんだ ちったぁ伝われ おれさまの呪い
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