デパートが衣替えしてお正月福を抱えて歩き始める
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遅延でも猛ダッシュして間に合わす 俺は平日スマホを持たない
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バルコニー 年末年始のゴミ置き場 収集の有り難さしみじみ
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嘘を吐く堂々としたその様に拍手送ろうわれは泣けども
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暮れなずむ 急ぎし町の 賑わいも 雪にはならず 冬の群雨むらさめ
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雪降りて白く広がる芒野すすきのに昔の人の旅をしぞ思ふ
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このくれの しげき思ひのいやひけに ゆると共に歲の暮れゆく
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番組と時計の針を見比べて数秒遅れと知った年越し
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めずらしく「外食ステーキ行くぞ!」叫ぶきみ 張り切ってるが金は出さない
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遠方でひとりで暮らす父想う めでたい正月なんだか淋しい
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年賀状父の代筆書き終える ひとりになった6年前より
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朝風呂や自分のために湯を張って肩まで浸かりこれから仕事
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酔って寝て木の精霊に恋をされ付きまとわれる夢をみました
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このパンツ履き替えたのかそのままか分からないまま歯は磨いてた
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李白とか酒の歌人が憑依して今日詠んだ歌明日見りゃ駄作
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千鳥足五七五の歩で歩く全てのことが四合わせ幸せになり
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オッサンの残った酒に合うツマミ甘いデザート諦めスルメ
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意気込んで今年最後の一人呑み行きは良い良い帰りは寒い
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ああやだな、年末年始も働くの。入る業界間違えたかな。
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しぱしぱと眠たいまなこ擦っている寝起きの貴女も愛らしいこと
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あと三日らしいが何も出来てない 年末という断崖険し
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あの人の紡ぐ短歌に憧れて 指でなぞって何回も読む
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私には欠落したとこたくさんあるが 「人」好きになる才能はある
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髭男dismヒゲダンの日常の歌詞聞いてみて」ささると親友 深夜の電話で
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鮮やかな夕焼けなんて久しぶりいつもは山に囲まれてるんで
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星たちが帰りし空に朝が来る 銀の絵の具を少し溶かして
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まよなかに 不安にかられた バァバァよ わが名をさけべ 名似ぬネノ。
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都会では僕は名もないのっぺらぼう 地を這いずって蛇穴に入る
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大歳おおどし行き鈍行列車  前照灯  次第に終着駅を照らす
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妻がる肉鍋奉行裁定は吾に厳しく牛肉にく子等こらへと
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