正月の 心残りは墓参り 亡父ちちが名を呼ぶ声で 夢醒む
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生涯をよそびととして石となり燃えるを背に辿るわが帰路
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スランプでふつうの短歌作れないどう頑張れど伝言短歌
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今日は雨時々曇りまるで今朝落ち込んでいた私みたいだ
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祖父祖母の昔語りをしんと聞く時の彼方は夢幻のようで
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受験まで残り間もない真夜中に不安で眠れずただ明日を待つ
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正月の 通勤電車 人まばら 確かに年は 越したと覚ゆ
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つまずきて地球と相撲すくい投げ痛みはきっと明後日あたり😣
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健康を 願い手に取る 七草も ワンコイン超え 買う勇気なし
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数カ月会わないだけで違う顔 甥姪に会う度の驚き
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正月は行くとこないなという顔の親子賑わういつもの公園
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明後日は粥を食う日と云うけれどスズシロの根も混ぜてみようか
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願い込め丹田へ貼るミニカイロ就寝まえの儀式のように
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九日間中断させた日常の終わりと始め連結させて
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大好きな餅を今年もなめるほど文句言わない母ちゃんごめんね/急遽ご飯から餅にリクエストで…
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冷や水でぴしゃりと覚ますむくみ顔 何十年も続けた動作
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年明けは復帰を兼ねて休まねば故にあしたの講義は寝よう
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もみ起こす居眠りさせたぬか床に今年最初の胡瓜を埋める
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イメージで決めつけないで本質を見極められるようになりたい
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九連休 二人きりでも存外にキツくなかった老後の予行
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ハーゲンダッツをハゲと略すママの血を引くわたくし
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雪国へ帰るのだろう厚着した仲間とともにバスを待つ夜
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切って貼って整えたかわいくて綺麗な私だけを見ててずっとみてて
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この胸の高鳴りを呼ぶ名を知らずふと思い出す「青春」の二字
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忘れ物取りに空へと戻ったの必ず会えるそう信じてます
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路地にある蠟梅の鉢がなくなって春の足音聞き逃したり
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ボソボソと話す息子きみたちその横で キャッキャッと笑う愛しい嫁たちむすめ
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モーターを唸らせきみは生き急ぐ、余命いのち短し走れよ乙女
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小春日が優しい微笑み 午後二時の縁側の我に子守唄うたう    
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年明けてはじめの朝に交わされたもうひととせを生きる約束
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