朝日浴び 炎の如く赤々と 狭庭に咲きたる鶏頭の花 
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鉄火場に 向かう途中で 買って食う 棒にささった パインアップル
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新前橋、終点前橋、きみはうまく無理できてるのかなって気にした
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誰だっていてほしくない地獄にはそうすると誰もいなくなる世
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わがらの為なら 命も惜しくない だからこそかな 「いのちだいじに」
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ねこを抱き トントントンと 背をなでて あつき寝息を 瞼で感ずる
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月明かり 儚く照らし 君想う 夢も追い越す 胸はさざ波
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夕立過ぎし 仮初の秋に 鈴虫の宴
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誰も居ぬロッカールームで罵詈雑言 「お疲れ様です」 えっ、いつから?
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遺言書ドラマ容易く現実は法務局にて難儀重箱
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笑われる馬鹿だからこそ見えるもの 夢に描いた未来の景色
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嘲笑に負けずに挑んだ馬鹿な夢 今では世界そらを大きく変えて
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裏山で法師蝉ほうしぜみ鳴く夕月夜 文字でノートを満たしたい秋
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モニターに 映る血しぶき 友叫び 街は遠雷 声を慎む
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唐突に宇宙へ放り投げられる「どこでも好きなお席へどうぞ」
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あなたの歩き方を覚えたの あなたがどんなに遠くにいても、気づいてあげられるよう
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髭剃の得用セットを買い続け取っ手の部分がどんどん増える
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なんとか言いがかりつけて送ったメッセージ 今か今か 返事まだ来ず
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自習室 隣に座ったあなたの香り そっと胸に閉じ込めた
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ときめきをコインみっつで かわいさと夢とよろこびときどき私
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まつげきらり 開けても閉じても美しい あなたの瞳に恋をした
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潮風をきってはしるよ 自転車で空は飛べない でも自由だ
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教科書の 中のあなたに恋をした いけないことぢゃないのよ ただ見てるだけ
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私の手に 愛するあなたの手が触れようものなら きっと一瞬小宇宙
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『恋コロン髪にもコロンヘアコロン』シャンプーの名もかわいい昭和
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命かけ人を愛する凄まじさ 出逢えた奇跡は宝物だよ/釋愛翔様の歌を読み…
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ひとつひとつ母の手のしわ目でなぞり きっと愛とはこのことなのだ
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あなたが生まれたことが偶然というなら 出会えたことを奇跡というのね
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お辞儀してみんなで揃ってさようなら祝祭めいてそんな幕切れ
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この町の賢治になれと託つ春理想郷とは野の果てにある
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