足元を 雪にとられても この桜 咲いてみせると 花芽膨らむ
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ポワントでたちしあなたの視線へとまぎれてさりげなく僕ですよ
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凍て返る 弥生の雪に 耐えながら咲く 河津桜よ ありがとう
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ひとしずく 昨日の雨の なごり落ち 今日という日を 踏み出す一歩
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昨晩の 雨のなごりの 水たまり 足元の空を ひょいっと越えて
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かかからと聞き慣れぬ音響き来てあれは啄木鳥きつつきつつく仕事
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予想気温と「非常に多い」花粉予報 ため息ついて コートを悩む
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ちゅーるさん 薬を2錠混ぜまして 1錠残され 一勝一敗
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まくらのよこ うでのなかにて ねむるとき ねこのさいこう・あいしんらい信頼
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かの年二〇一一は草も知りてかねば 土押す若芽みつけホッとす
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薄紅の 空明けゆきて 日の昇る 海の向こうへ きみは飛び立つ
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真剣に謝っている顔じゃないそう言われても元がこれだし
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古木にも生きる芽のでる力ある 逝く冬みつつ風光るなか
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駆け下りて勢いついて止まれずにそのまま砂に突っ込んだ友
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しわくちゃの汚い紙も気前よくサインをくれた前川清
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なんとなく寂しかったり雪溶けて目までの壁が腰より低く
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忘れろと 言い聞かせても 思い出す 君を求める もはや野獣だ
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薄雲に隠れて昇る太陽よ 夜の氷雨に恥じ入りたるか
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二分咲きの 庭の紅梅凍へをり 春は足踏みなごり雪舞ふ 
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三月みつき余の悪戦苦闘もありがたやユーチューブにより氷解したり
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通帳の残高見れば目の前に老後の文字が浮かび上がって
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貯金より大事なものはあるはずだ たぶん きっと そう、信じたい
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貯金箱ひび割れそうな腹を見て我が身を思う秋の夕暮れ
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履歴書をAmazonで買う書くことは強い気持ちで弱気なペンで
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私の強みはポカンとすることです三年くらい続けられます
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病院で体の不調を訴える 3割負担で 3割分だけ
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気が付いたことをすべてと思いなし 気づかないこと 闇に消えゆく
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だんだんと夢になっていくこの感じ 音楽だってドラッグでしょうに
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久々にテレビ観んかと座に着けば右側に猫左にも猫
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値上がりも使える銭の額同じ質を落とせよ量を減らせよ
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