年上でも心は少女のままなのよ 「離れないで」と言えずにつぐむ
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現代はおつむまで戦場らしく霧のかくさふ五里の銃口
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かなしみの輪郭をたどる汗 風よ大三角まできみを連れてゆけ
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慟哭どうこくの如く雨声うせいに覚醒す 黎明れいめいに到着す台風
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遠目にも歩く姿で分かる君だんだん近く笑顔広がる
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山里のジジ工房に炭火起き 爺ハム作り婆パン焼く幸せ
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あゝあの人に伝えたきこの二文字 されど伝えれぬこのはかなさよ 
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學生の 青春散らせし 時代ときとぞ思ふ あゝあの人に 二文字を伝え
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八月の 島の暑さと 飢えにより 貴様も見ずに あゝガ島にと
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枝桜 積は白き 桜かな チリしときは 鴇色にそまる
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葉桜の 散り初めるときと 問ふたれば 秋風ぞいつ ふきさらしたか
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桜散る 季節はいつと 問ふたれば 黄色き花が 咲き誇るなり
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桜咲く 陛下の城の 外堀に うつるは古都の 名残なり
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おとといはぼやきながらに長袖さがし、今日の津軽は猛暑日となる
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警報にリハジムためらう我に喝! 先導の妻 滝の雨にも
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夏祭り 太鼓の打ち手も人不足 中高生が後世繋ぐ 
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友達に短歌やってること言えば ちょっと奥さん、乙女ですってよ
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ぷにぷにと 俺の二の腕 揉みながら クロスワードを 解いているキミ
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ぷよぷよで 俺をボコって 上機嫌 今日はこのまま 寝てくれと願う
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見た感じ 何も変わって ないけれど 資格を取って 違う自分に
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髪色をピンクにしたと聞きました  似合うだろうね。好きでごめんね。
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最後の日お土産にくれた牡蠣せんべい  今も机に置かれたままだよ
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人生に後悔無しと言う母に口八丁は強がりと思う
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恋人じゃなくてもいいよ例えばさ相棒とかさソウルメイトは?
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液晶に照らし出されるささくれの影絵をめくる右のおやゆび
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浮かんでは あぶくのやうに 消えていく 短歌のカケラ うたかたの夢
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ゲーセンでかつて夜じゅう踊り明かし その時の相方ともが いまの朋友(てか、元々は高校の同級生だ(笑))
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美白とかキョーミなけれど たまにはね 化粧水くらいつけてみるべし(犬猫と一緒に暮らす人用化粧水)
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猫のは宇宙に似たり 照明のひかりが描く小さな星図
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泣いてても始まらないことは知っているけど、泣いていないと終わってしまう気がして
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