原価率 計算しつつ 廻る寿司 家族に熱弁 聞く耳持たず
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ケビンさんの葉取らずりんごを丸かじり 袖で拭くのもやってみたきなり(木からもいだやつをそのまま🍎)
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ねこたちは それぞれのあさを すごしたる ねんねしてたり うろうろしたり
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はらはらと散る花もまた景色かな積れる花もまた糧となり【後編・怨霊成仏】
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南西に三日月 鈴虫の序曲 帰路の坂道 カレーの匂ひ
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お金とは感謝の見える化、数値化で何も持たずに人は生まれた
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マンキーと言へばモンキー言ひ返し四度目で君マンキーものにす
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かくばかり幾重待てども来ずなりぬる迎へか行かむか立ち煩ふし
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確実に見えない先も知っていてだから何とか言い聞かせるの
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庭プール夏日を浴びるカッパの子 水鉄砲で戦う平和
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炎天に夏草を刈る益荒男よ機械と蝉が競う雄叫び
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熱中症アラートの載る朝刊をバタつかする風すでに暑苦し
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親戚のちっちゃかった子俺よりも立派な大人仰ぎ見ちゃうぜ
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目覚む未明 吾が十代に寝し刻よ 亡父の小言の 早よ寝よ懐かし
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菜園の 見た目の悪き夏野菜 猛暑に耐へて愛しさ募る 
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頭さえ 撫でられずいた がきだから あたし 指輪の熱さえ知らない
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朝シャンをするには 時間が足りんかな スライム急須を きれいに洗う
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両の手に収まるほどの愛だった虹を渡って未来でまたね
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トイレついで ねているねこに おみずいる?と きいたらついてくる にほんご日本語りかい理解
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暗くても 汚れていても だいじょうぶ あなたの声が ひかればそこで
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ピンチだと思ってたのをピンチだと思わなくなってからが本番
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好きだから めちゃくちゃ好きで 好きだから もう 会わない 二度と会えない
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寄り添って 優しさひとつ 渡すたび 知らずに心 痛みを刻む
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責任と使命と責務を投げ捨てた 揺蕩う海に僕も沈めば
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唸る空雷雲込める闇の音バケツ二杯にまた水を取る
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目に映る確かな自分のつらさより 完璧な君のつらさを知りたい
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上の人に従うべきだと 諦めた それが私の反抗期終わり
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街の灯の暮れえぬ空に梁かけて赤色みっつ星もあざむく〈タワークレーン〉
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黒ずんだ反省文の原稿にあの子に会いに行きます。と書く。
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格好のつけた短歌は詠めない ただあなたへの愛をつづらせて
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