ネモフィラの川がSNSの海へと合流しわたしまで青
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抱きしめてさえもらえたらきみがいた証拠となってわたし、生きます
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ドーナツにぽっかり空いた傷跡を無視して食べるまわりを、食べる
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肉球の音の軽やか散歩するワンコはママを気づかいながら
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並ばない万博よりも何倍も希望があった並んでた頃
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役立たぬ経験値とかを振りかざす 大人はさっさと退場しろよ
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ぼくだって りっぱになったと みけつけて、 せのびしたって おいつけぬちち
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芯のあるスパゲッティを喰っただけ 芯ある大人になったつもりか
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やがて死ぬ わが身を思い なおさらに 下手な歌でも投稿したい
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不確かな記憶の中の 懐かしき匂ひを辿たどる 母の香水
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そよ風を まとえば君の 髪さらり 刹那が知らす 夏の始まり/r
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天頂の雲の隙間の不透明水彩絵の具色をした空
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訪れる 一季一期を 躊躇ためらって 君は笑って くれなくなった/r
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君だけを おもいつづける わけではない 違う温もり 抱かれて眠る
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ぬけ抜けたての わがのおひげ ゲットした 「おかあちゃん、ははのひの、ぷれぜんとだよ」😸💕
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「三無主義(無気力・無関心・無表情)」僕らの世代はそれを気取った
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ひとひらの 淀みもなき 阿字池の 水面とあらなむ 我が心鏡よ
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「しらけ世代」言われて四十五年経ち 熱くならずに無事是貴人
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半袖を 皐月半ばに 纏いたる 酷暑の予感 また抱きつつ
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驟り雨散った桜が溶けそうで句に言い足らぬ春の面影
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夏場所の太鼓敲いて大相撲 派手な浴衣の力士あらわる
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栄光を夢見てしかしだるいです寝転ぶベットにポテトチップス
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近世の血脈けちみゃく遺す夏祭 都心の街に神輿あらわる
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親友ともの為よつ葉クローバー刺し子する やまいの回復願掛がんかけをする
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朝ルーティン少々崩してモス贈る 母の日の朝 気持ちは急きて
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かーねーしょん ねこにはきけんな おはなお花なの おかあちゃんは 君たち居れば
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母の日にためらいもなくカーネーション手にする人の姿眩しき
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包丁で切った指からこぼれ出る 「年相応」ができない焦り
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綿だけのおまえの耳でこの喉を刺してくれぬか抱きしめたまま
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あの子また人体模型の心臓をはずして磨く 雨の放課後
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