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この生のすべての夏を束にしてリボンをかけて君にあげたい
15
光増す毎に緑陰濃くなりて葡萄畑の
蔓
(
つる
)
伸びてゆく
23
ドローンとマジノ線より恋の歌うたった方がいい若いから
31
忘れてていい。忘れないでほしい。と、遠く微かに瞬く恒星。
13
子どもには 子どもの人生 あるからと 言い聞かせては 強がっている
6
本当は しっぽは私の 方だった。 友はトカゲと なりて舌巻く
22
持たされし院内
PHS
(
ピッチ
)
が外来のナースの声で「準備ができた」と
8
僕だけが 許されない気がしていても 居場所があるかな コンビニ人間
10
さりげない控え目な色選びたり 嬉し恥ずかし初サングラス /紫外線対策
27
心がわりの 相手は僕に決めなよと 言われてみたい 今夜はブギー・バック
6
生い茂り 何を守るか 草木たち 誰も知らない 廃屋の声
13
爪を切る ネクタイを結ぶ 歯を磨く 胸一杯に朝の光を
9
振り向いて なんとなく君が好きなんだ 風に膨らむ カーテンみたいで
6
てのひらにダンゴムシ乗せ遊ぶ子ら 笑みのこぼれて若葉風ゆく
30
洗面所乳毛を切った後始末 女房に見つかり追及される
9
荒荒
(
あらあら
)
と
現
(
うつ
)
し世と共に 滅びゆく
芙蓉
(
ふよう
)
の如き
女言葉
(
おみなことば
)
(
)
(
)
よ
23
逃れ来る
13
階の喫煙所 電子タバコの充電足りず
12
見慣れない男の靴が玄関にあるのに客はいないと言う妻
8
教習中バスドライバー 緊張の面持ちにて 走りぬ公道
25
紙束をまき散らす夢はどうしてあんなに楽しく切ないのか
9
妻子待つ 我は単身 勤務地で 毎食のキムチ 懐郷の気持ち
4
神に問う男の乳首はなぜ遺す? さらに乳毛に何の意味ある?
10
昼休み三角定規は機関銃 かけだす廊下ワックス光る
12
新京極 居並ぶ土産眺むれば中三の吾また木刀を買ひ
12
原っぱと空き地の区別つかぬまま靴をぬいでる段ボールの基地
20
道端に老婆座りて「立てぬ」と言う しかたがねぇや肩を貸したり
15
東京メトロ 丸の内線は 寒いのに 都営新宿 線は暑いよ
3
ぼろぼろでぽろぽろな日を乗り越える強さはどこに売っていますか?
7
妄想は 天駆ける程 優雅でも この現実は さも味気なし
5
職場でも 便所掃除を 指導され 老いてゆくほど 頭は垂れる
5
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