「オラオラ」と 風切る銭に こうべ垂れ 倫理や道理 見る影もなし
9
もう会わぬ気がする友の誕生日。祝ったからさ、祝い返してよ。
5
選択は高い目標あればこそ外さぬことを今さら知りて
9
青い山 通り雨過ぎ 蝉時雨 白銀溢れ 山青葉 きらきらひかり  せせらぎ騒ぎ 山こだま
4
田には水川は増水霧かすみ雨はじとじと景色ふやけて/濡れそぼつ
16
雨上がり せわしなきこと さえずりが 明日の糧なる 生命啄 いのちついば
16
爺ちゃんと孫の二人がカフェに来て会話やりとり可愛すぎるよ
19
五月雨の岩根に沈む鳶一羽まなこ塞ぎて風を待つらむ
14
窓からの滴る緑の葉の揺れがこの世最後の絵になりそうだ
12
抱擁がいいねと合致昭和産おばさん二人セクシー談義
11
生ゴミと可燃不燃に着ない服雨が捨てろよ捨てろよと降る
9
おいしいね、でも淋しいね、って言いながら珈琲の渦に涙を放る
25
ごちそうのあとも微熱ののこる穴 珈琲で満たしやっと「私」だ
21
換気扇回して蚊取線香を 焚いて祈るよ去れよ悪霊/か、野生動物か
11
依頼者の寿命を当てる占い師予約いっぱい貯めたまま逝く
14
屋根裏で蠢く音の正体を 霊障であれと初めて願う
19
たまにはと階段上れば心臓が運動不足の警鐘鳴らす
14
半袖の白い制服目にした日五月下旬は夜風さやけき
15
太陽が 双子にうつり ツインクル 牡牛座さられ ちょっとさびしい
15
空仰ぐ 若手社員の いい笑顔 幸多かれと スマホに納め
24
寝室の シーツ二組取り替えて 一人りんちゃんごっこに興じる
10
角にあった焼き肉やさんがなくなって慣れてしまった街の人たち
15
雨だれでゆれる草の葉庭茂み野生動物か?など疑い
18
猫だとか恋人だとか夢だとか我が砂漠にも欲しいキラキラ
16
母になり ライブハウスはほど遠く でも風や木が 微笑んでくる
14
甘へ盛りは歳重ねども変はらぬ 撫でのおかわり求めをる猫
24
ごく僅か残った愛もつぎこぼし空の水差し円卓ポツン
9
はつらつでシルバーヘアの阿部さんが庭先並べるトマトの苗です
16
酔いどれの 爺さん拾えば 元陸士 駅にて別れ 敬礼される (新宿にて)
8
小雨降り緑の香りが濃くなってまだ大丈夫とそれだけ思う
24