「死にたい」は祈りに近い 完璧な救いがそこに寄り添うように
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ミサンドリー ミソジニー混じる大脳をロボトミー無しで書き換えたくて
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堕胎した理性の代わりに愛が居る 弔いを知れ 笑みだけなのか
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しまえって台風も云う失くさないようにしまえよしまえましたか
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雨降りで散歩やめれば晴れてきてまた出ればすぐ雨が降り出す
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エアコンが作る温度と天然の温度は何で違うんだろう
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一度吐き出してしまえば二度と飲み込めない嘘もほんとうのことも
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俺の指スマホをいじるためだけの道具と化した令和七年
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昼休み終わると少し固くなる声色とかねまだ好きじゃないし
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いつのまにビールはすべてなくなった愕然とする俺と友だち
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外へ出て雨が降ったこと知る吾は水族館の魚のごとし
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誠実な人間だったはずなのに汗にはりつくシャツに釘付け
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温風あつかぜは遠き野分を思はせて空蝉残る緑葉みどりば揺らす /皆様お気をつけて
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母とはね なんでもだいたい 半分こ 杏仁豆腐もクリームパンも(なんなら輪ゴムも‥w)
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朝起きて寝ぼけまなこでパンを食べパレスチナの記事斜め読みする
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暑いのは大っ嫌いなはずなのにろうじに流れる祇園ばやしが
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バンザイのさかさまをして夜に触れないように さかさまのズボンが干されてる
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夕暮れの風のり泳ぐクジラ雲 向かう先には野分のわきの姿
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重力が 存在しないとするならば。スノードームの冬は永遠
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疲れ果て 通勤帰り 慰める如く 家路の向日葵と百合
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台風の後を飛んでく黄揚羽の後に続けと自転車を漕ぐ
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台風が過ぎて夕方五時半の空は水色真昼の様に
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マイナンバー更新義務は五年ごと写真は十年アンチエイジング
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小止みの間セミはかそけくさざめいて短き命を燃やすのだ いま
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まばゆさに 手をかざす時 隙間より 洩れる光が 不意に美し
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バタフライエフェクトうれし 雨降らず 損したような 気分はカオス
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陽光に 透けし白雲 浮かびけり 蒼の深さに 影をもちつつ
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言葉とはよろづの人の声を借りこころの土に開く花なり
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水鉢の メダカの泳ぐ 水面みなもには 風が通りて 浮草揺れる
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女子社員に「ユル・ブリンナーって誰すか?」と言われ がっかりする午後
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