真夜中に 麺屋にいく 帰路の 罪減らすため 塩を頼む
5
お土産に ブランデーどら焼き 頂くも これは善きなり もっと溺らせ
6
彼が吸うラークの匂いひとりいる私の部屋にかすかに残れり
4
ふりかけをふりかけてまたふりかけて 取り残されるメイン哀れに 
5
次男から 安否確認 孫たち映る 大丈夫かな
4
ロンドンの スポーツバーにて 盛り上がる 映像届く 長男の夏
6
祭りの宵 燥(はしゃ)ぐ子らの声 砂を蹴る音 水風船の破裂音と
26
旅先で 目覚めたような 空間に いてはったのは 夢の中の夢
5
マッチング 四〇過ぎて 三男が 婚活始めた だまされるなよ
7
山で咲く凛と逞し百合の花 生命(いのち)漲る仏花で見るより
18
薄い味 三年過ぎて 慣れし舌 甘辛人生   卒業近し
12
ありがとう 君に逢うため産まれたの フユからハルへ 繋いだいのち
23
終点を見ない振りした二とせも蝉時雨降る待ちぼうけの夏
25
信州の 夜空仰げば 幾千の 主系列星 燃えて輝く
11
arata
5
空蝉を探し集める母と子に蝉しぐれふる夏の絵日記
30
夏休暇 入りて磨かる 自転車が 乗れと急かすも 三十七度
13
今日もまた「大丈夫」になりたくて なれなかったな いつなるんだろ
7
たのしみは 冷やし中華の胡麻だれに 辛子とマヨを和えて食すとき 
14
たおやかに佇む器滲みでるルーシーリーの人と気品と
16
おわりまで共に走ると決めたのに羽ばたく鳥は消えてしまった
7
またひとつ 歳を重ねし夏の朝  こころに期するは日々の尊さ
25
人生をかけてあなたに狂うことが僕の幸せだったらしい
7
芸術家それは何かに狂った人 俺は愛することに狂う
5
授業中きみはうとうと船をこぎ 誰も知らない海を渡った
8
プレートの上にカレー海(かい)みちるとき ライス大陸を裂いた銀雷
7
熱帯の夜を乗り切る相棒は丸くならない長すぎる猫
12
肺が霧で満ちるようにあなたを想う 今不安だからこそ信ず
9
「死にたい」と言えば心配してくれる人達だから言わない 呼吸
12
思ったより、まだわたしとあなたは仲良くないのだと思い知った
7