ゆく雲をながめてましたゆっくりとうつろふ時のうつしよの比喩
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羽根つきも餅もテレビも放っといて正月一人机に向かう
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【CM】レイソル市 がんたんはつうり にきのかし にばいはおとく ふくぶくろ千円 /百個限定 すぐ売切れ
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アメリカの街路を埋める 赤と青 次の局では 『レ・ミゼラブル』
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先を行く 先輩たちの 老いぶりに 神々しさと ものの哀れさ
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縁も切れ 人と交わる こともなく 正月迎え 老いも深まり
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年賀状 会社を辞めて 縁も切れ 忘れてたのに ありがたいこと
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年賀状 辞めた会社の 社長から 親しみこもる 今更ながら
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雪解けとともに始まる春を待つ君への想いは深まるばかり
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美しいものは美しいと言い切った空虚な部屋に浮かぶのは、月
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レコードの針は静かに踊りだし冬の朝日が頬を撫でゆく
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さっきまで栗きんとんは山だった こっちを見ないこたつの息子
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我が短歌うたを見返し ちょっと苦笑い 予言?通りに倒れてどうする(笑)
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甘酒のんあるで なんとかはじめるお正月 じわりと回復 でも慎重に(お酒飲みたいなぁ)
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板からのこそげ落としたひらひらなかまぼこ口にお勝手正月
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三日かけ仕上げたおせちあっけなし売れゆきよろし詰めてまた詰め
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珈琲の苦さの美味し新年の何事もなき二日目の朝
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泥棒が 何も取らずに 鍵・窓の 説教たれて サッサと帰る
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目標は 山頂ではなく 過程にある 苦しい時に 喜びがある
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クリスマス 元旦 翌日 家ご飯 抜けた炭酸 コーラ片手に
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駅伝のスタート確かめ靴を履く氏神様へ初詣いそぐ
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ふゆぞらに れぇすかーてん ほしたらば 見るこなかって きみのうえでぃんぐどれす
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憂鬱な季節君が若芽を摘んだから テムズに行って自転車を漕ぐよ
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白い部屋全ての悪の尽きる場所 清潔になりぬ衣を着せられ 
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ねこたちが体調崩すよりは良い 動物病院も明日までお休み
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薬ばかり飲んで寝ていた元日よ おせちの「お」の字も やっとこれから
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初夢に一富士二鷹三茄子出てきましたかいいえひとつも
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血も星も呪いも持たぬわたしたち繋ぐ手だけが家族のあかし
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午後三時通り魔的に投げられた下品なキスであたしは目覚めた
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初春の感謝の祈りささげつつ安寧願ううららの空の
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