よる九時のきさらぎ駅のベンチから見上げた空はいつもと同じ
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明日から指名手配で逃げたいなレポート書くよりよっぽどマシだろ
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愚かさは アンドロメダの 下のほう 鈍く光って 三等星
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冷え切った息をまた吸う僕らにはあるべきものもありはしないのに
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すみません見えぬ相手に頭下げ赤べこのような父の背中
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赤い血が流れる事も無いはずと古傷歪み儚くしたる
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グルグルとかすりもせずに見もせずにやるせない夜のわたしの言葉
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寒いからここいいってためぐちできみの隣りをゲットする冬
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こんなにも降り積もる雪の中ならいちばんの嘘をつけるだろう
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母親からたまの荷物で送られる 蜜柑と林檎に 冬を感じる
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どうせなら憎むくらいに好きになりたかった そっと唇を噛む
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カーテンを 開けて初めて 知りました 外はこんなに 明るいのですね
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もしかしてわたしは虎に近いのか池をしばらく見つめてる猫
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その光るバナナの皮をむいたならまあ猿顔のかぐや姫が
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仮想世界 誰でもヒーローになれる時代 私はどこでも空気の存在
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死ぬ前に 初期化しておく パソコンは 君知らない 謎の入り口
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あの日から 許せないことも減ってきて。生きてるだけで すごいじゃないか。
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やわらかい 真綿のようなその声で 僕はたやすく 狂いそうです
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雪白々 叶うとも知らせは来ぬ
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雪けむり除雪機は噴く晴れの日にきえゆくまにまのいろの舞
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内臓の五枚の画像順々に見せられているクリスマス・イブ
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けい」の字をちゃんと書けるか確信をもちやらぬうちもう「もっとも」だ
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闇鍋はくろくはないしあとはほら心の闇は闇ですらない
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のび太くん、どこでもドアを壊しましょ。ここはふたりでいっぱいだから
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僕の中に 確かに居てた 神は去り こころは再び 抜け殻となる
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砕け散った 僕のハートを 貼り合わせ また砕け散る その繰り返し
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祖母に聞く 日中何して過ごしてる? 祖母は言う 地図と歴史書読んでるの
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手ほどきの淫乱まがいもハンパゆえどこまでもゆくキミのもとまで。
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暴虐な 暴れん坊が 死を迎え 体調崩す 悲しき最期
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雪が舞う 帰ることのない 故郷の 武庫津むこつの山に 雪はあるかな
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