冬のあと指先に残る温もりは雪解け水のように消えゆく
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ENTER!でClamAVスキャン中・・・ながるる白文字が睡魔を誘ふ
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ガサちりや鼻紙なんて保育士達はお花紙はながみと言う
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つま先の冷気うれしい正月の夜はいっそう音が静かだ
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ねむれない夜に寄り添う静けさとニトリのあったか毛布と炬燵
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わたしだけ楽しかったの 大晦日ひとりでチキンパーティしたこと
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折り癖がついちゃうくらい読み込んだページは祈りのようでしたね
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もう少し二人でここを歩きましょう。欲望が果てるまで後少し
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空っぽの心で生きていつの日か綺麗なものでいっぱいにして
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きっとまた読み返したくなるのだろう祈りのような三十一字
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新聞を読む手が止まるお悔やみ欄あっ十六歳ああ五十二歳
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自分より先に私の名を書いた「め」が「ぬ」になっているよ大好き
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くるくるりまわる君の裾ふわり舞う ここが世界の中心のように
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お正月 気分も仕事 始まると ほんと一瞬 一切いっさい消える
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不器用な貴方が好きだ嘘だとか誤魔化すなんて知らないはずの
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なんとなく好きなのかもしれない君にオススメされた本を読んだよ
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コリコリ感 ナンコツ好きにはたまらない ヤゲン軟骨ベジスープカレー
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「ひめはじめ」そんな言葉を知った朝やっぱ我が家のご飯がうまい/旅行帰りあるある
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パステルのピンクの空にただ花であるしかない一輪の君
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帰ってきた?キミが聞くからただいまって言いたくなるの逢いたいな/帰省おしまい
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吸い込まれそうになるこの星空は夢から覚めた賠償金か
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結氷し雪が積もった網走湖わかさぎ釣りの準備を始める
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不自然な色のランプを近付けて頭の奥を照らそうとする
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こちらからしてみれば君のたましいは白すぎるほど白でしかない
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ビニールの花を作ったその夜のうちに逃げ出すつもりでいた
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いつかまた私を置いていく時はあの日の赤を思い出してね
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鉄橋を冷たい人の振りをして渡る 約束もないものとして
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一つずつスマホ音痴の英明は覚えみんなが「しつこ過ぎる」と
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ああさむい きみにいったら わらわれる はるひつづくも 葛根湯断てぬ
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出不精の一日体感八時間きっと誰かが時間盗ってる
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