Utakata
登録
Login
千紗
フォロー
2
フォロワー
2
投稿数
66
ぽつりぽつりと
1
2
3
次 ›
最後 »
さびしくはないと言うなら嘘になるけれども私ピノキオになる
9
タピオカはすたれ目黒通りにていつのまにかのバナナシェイク屋
8
ガラス戸のにじむ君は淡き春まぶたの裏にしまいこむ夜
5
缶チューハイ片手に家路とおせんぼ真っ黒な猫にゃぁと鳴ければ
6
寝静まるコンビニエンスストアから揺らがぬ糸と横顔さびし
3
体温のじわりという音が響ければコットンの空からだをあずける
1
クリームのパスタをうまく敢えるゆび遠くみつめる中目駅前
1
君のいぬ小部屋に息を置いてきて長いまつ毛の濡れていくこと
1
うたかたと思い出せずにあかるみの師走の夜を駆け抜けている
0
耐えがたい暑さとテレビの声がする天井眺む時間がのびる
1
蝉の音の廊下ひびきわたりゆく足止めされて夏は暮れれば
1
騒音のスパークリングワインまで気にいる素振りのデュオ・マンション
0
頼らずにみずから肌を灼かれよう健康そうと理由をつけ
0
好まない映画と私あぁ不憫なにを迷って揺れているのか
0
さきに寝る横顔ふいにほころんで安心させる年月眺むる
1
柑橘の夜をわたれば裏返しころがる箸にころがる柔和
1
くしゃみさえ愛してほしい近頃の世間に合わせエチケットをする
1
弓矢ごと浮かべてみせたい夜の空に流れ着いてく淡い恋文
1
夏までにどうにかしようと考えるこの恋つねに天秤の上
2
白髪ごと愛しすぎてく年月もゆるりと見えてベランダの花
2
砂糖菓子のふりをしている空の色あっというまに風と去りゆく
1
湯あがりの素肌を何にたとえよう触れられたいでも傷つきたくない
3
てすさびの相手と知りて食べかけのアイスクリーム溶け始めている
3
この恋の終わりをふいに考えるなんにも見えぬ吾は乙女なり
2
貝殻の中にこもっているような君と吾だけの息する小部屋
1
あかい紅さすように仕向けてしまうあなたのいること麗しきこと
4
あれが好きこれが嫌かと訊きければ答え合わせのふたりとならん
1
ほろ酔いの風さわやかに頰を撫で声かける君だいだいの色
2
才能かそうでないかもわからずにもてあましてる二十一歳
1
戦争のあった元号考える明治昭和も三文字である
1
1
2
3
次 ›
最後 »