千紗  フォロー 2 フォロワー 2 投稿数 54

ぽつりぽつりと

頼らずにみずから肌を灼かれよう健康そうと理由をつけ 

好まない映画と私あぁ不憫なにを迷って揺れているのか 

さきに寝る横顔ふいにほころんで安心させる年月眺むる 

柑橘の夜をわたれば裏返しころがる箸にころがる柔和 

くしゃみさえ愛してほしい近頃の世間に合わせエチケットをする 

弓矢ごと浮かべてみせたい夜の空に流れ着いてく淡い恋文 

夏までにどうにかしようと考えるこの恋つねに天秤の上 

白髪ごと愛しすぎてく年月もゆるりと見えてベランダの花 

砂糖菓子のふりをしている空の色あっというまに風と去りゆく 

湯あがりの素肌を何にたとえよう触れられたいでも傷つきたくない 

てすさびの相手と知りて食べかけのアイスクリーム溶け始めている 

この恋の終わりをふいに考えるなんにも見えぬ吾は乙女なり 

貝殻の中にこもっているような君と吾だけの息する小部屋 

あかい紅さすように仕向けてしまうあなたのいること麗しきこと 

あれが好きこれが嫌かと訊きければ答え合わせのふたりとならん 

ほろ酔いの風さわやかに頰を撫で声かける君だいだいの色 

才能かそうでないかもわからずにもてあましてる二十一歳  

戦争のあった元号考える明治昭和も三文字である 

新元号令和となればどこか不安三文字だからなのかもしれず  

「珈琲と煙草優しきマスターが言うとても相性がいいのですけど禁煙なのです」  

オリンピック近づくごとに着々と禁煙となり喫茶店らは  

セーラーの女子高生は自らの価値を知らない知ってはならない  

隅っこで暮らせるものなら暮らしたいくまねこかえるすみっこぐらし  

一年中真っ白でいる吾の腕をけっきょく灼かない君なりの夏  

季節ごと変える雷雨が過ぎ去ればあなたにみせたい栗色ニット 

暮れてゆくサマーバケーションとともに鳴く泣く踊る道ばたのせみ 

コットンの白き布団は柔らかにいつのまにやら空飛ぶらくだ 

タピオカは流行っているがコーヒーの良さも忘れてはならず若者 

この列はなんの列かと目をやればニューオープン!タピオカ、とまた 

炎天下歩き歩いてコンビニのアイス溶けゆくのを気にして