hacca
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悔恨を焚べた炎で打ち鍛え研いだ刃紋は凪いでいたから
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サバンナの母乳の成分表観れば果てなき夜泣き越えてみせよう
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生活の全ては人に教わった掴めるようにくだものを切る
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この部屋は蛸壺よりも広々で玉蜀黍とうもろこしの抜けた穴ほど
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たんぽぽの風をソーダにくぐらせば空へシュワっと白が眩しい
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石墨の冷めた眼窩をまさぐれば膿みてやぶける一対の指
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肯定も否定も避けて春のカフェ 見透かすように崩れるタルト
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マイクラで作ったような木の椅子でうどんの塩化ナトリウム吸う
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納豆を練ってしまったもういいか まだ孵卵器に帰る気ないし
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言葉は皆んな借り物だから君のあだ名を創りたかった
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復讐をねがえば痛みを復習し遺品整理に巻きこまないで
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めに花を供える悲しみは慈しみあうためにあるから
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カスタードホイップ苺全部のせ 黙ってゆるす予定だけある
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悲しみをいくら剥いてもキリなくてひとつつまんであなたにあげた
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みずうみをうみと読まない人生か 父の眼鏡に毛嵐ふたつ
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直感で浪漫をけるAIが兄を殺せばゆるせるのかな
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ハルカゼをシュンプウと読むことのない君のめがねに住む春霞
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たんぽぽの頸でコーラを掬うときバッドエンドは腹持ちがいい
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「春だから酒買い来てる」孤独とは自分の声がきこえないこと
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