さむざむと六羽の鴨浮く放水路 素潜り漁は冷たかろうて
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久方に 初恋の君 めぐり逢い 背中の丸さ お互い笑い
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背中を撃たれ 血反吐を撒き 犬死にの今日へ
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失敗を糧になるまで置いといてふっくらパンの材料にする
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スマホ見る闇はそのうち眠り落ち虚しさ絶ちて朝に向かえる
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アルクマを即時撃退ぽすくまも慌てて逃げる東京ベル
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船に乗り酔いはおのれを責めるけどきらめく海はなにも言わない
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けわしくて足は自然と立ち止まる空を仰げばみねはまだ先
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花梅が 一輪咲いて 青空に 誕生祝う 一筋の雲
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ココア飲も ご飯前だけど まあいいじゃん 豆乳ココアならタンパク質も
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ぬくいぞと15時半に声がする 毎日ハマるホットカーペットカーペットの沼
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少しだけ 年賀じまいを 遠ざけた 懐かしい文字 言の葉の癖
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夕方冷え ことさら痛くてダウンする カイロを貼ったままだとまずいかな
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はずれても踏みとどまっても人の道 命は燃やすためにあるのか
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レトルトの汁粉チンして餅焼いて黒豆茶飲み吾をいたわる
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想う人の体気遣い休んでと言うは容易し通学路永し
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早咲きの梅の木に花咲いていた病院の横実がとれぬ梅
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好きになったらこまるなあ、ぼぉっと他人事のように思っている時点でもう手遅れ ご愁傷様です
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大きめのアクアリウムで悠々と泳ぐメダカに私はなりたい
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小さめのアクアリウムの中でしか生きられなくて病という埒
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母通う施設からまたコロナ出る 施設変えよか…なかなか難し
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言葉と手が凍えるようで白い皿こびりつく黒もう落ちぬのか
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缶コーヒー一つで温まる夜にお釣りがくるほど抱きしめあった
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車窓から撮るパノラマに同居したどこかに行ってしまいそうな空
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新しく買ったアイシャドウ試せずに今日も慌ててアイラインだけ
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ちま猫ちゃん はないき鼻息・あらい ニャンコなの オヤツもらうとき フガフガいうの
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きれいめの あったかセーター装いて 氏神様にも やっとお詣り
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まだ明かき東に浮かぶみかづきはきみの最後の空中ブランコ
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返事しろ耳が遠いなと夫が言う してるよ聞こえてないのはお前だ
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妻と子が本年引いたおみくじは二人とも凶 どうなる今年?
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