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豪雨にて 庭先にいた 蟹を飼う 今日もぷくぷく 彷徨い続ける
18
睾丸に メス入れ取り出す 精子達 妻に着床 喜びひとしお
11
自転車で横切る誰かの柔軟剤 わたしの「会いたい」上書き保存
11
人間は考える
葦
(
あし
)
の意味知らず 調べつ歩く葦の水辺を
36
漸くに 降りし秋雨明け方の 雨樋の音秋近づきぬ
17
10年間 寝る間を惜しんて 漫画描く あのバイタリティが 私の誇り
16
検診を 後日に控え アルコール 薄めて呑む日々 今夜も眠れず
10
午睡→夜勤→午睡→夜勤→午睡→夜勤→午睡→夜勤→永眠→夜勤
5
歩みゆく 道に迷いて ふと気づく 遠回りこそ 景色は深し
11
障害で 恐らく将来 働けぬ 息子の為に 日々倹約
15
新しいアイデア浮かんで膨らませバルーンねじねじ
仕様
(
しょう
)
がない奴
8
くる夏を、煩わしとぞ思ふものを ゆく夏を惜しむ また逢ふ日まで
11
あなたには わからないわと 言い放つ わかってほしいと 言えばいいのに
10
閑麗な、あの子がバンドを 始めた、と。夢で会う時はいつも あの頃のままで。|霞
6
アメリカは十三時間時差があり今は静かに寝ているだろう
5
夕立を横目に
氷菓
(
アイス
)
、咥えつつ
開
(
あ
)
かず夏期講習の
教本
(
テキスト
)
6
あばずれも秋田おばこに見せようぞいずこの母もどこぞの母も
21
髪を結い田舎手踊り装束の娘は偽装清純派女子
21
ひとつだけ プチプラ贅沢 買いました ウエディングデイ、といふ名の香水(500円)
17
幽霊もこの言霊も信じぬが 叶える霊があなただったなら
4
葉の影が可憐な花より前出でて朝顔の花夕顔となり
30
手をのべてぼくがあなたに触れたとき酸素不足だこの世は鼓動
26
体育館 空調ない中 ボール追う ママさんバレー パワー溢れて
22
大人しく 寂しく見える 豆柴に 哀愁感じ 心痛めて
21
貧乏は 味わうものとの 名言に 節約生活 これまた楽し
15
十六夜の月に照らされ我を招く秋の夜桜あなたを思う
9
冷房を停めて窓を開けようかそう思わないうちはまだ夏
14
長月の 街にとどろく 雨時雨 まつのむしとの
四重奏
(
カルテット
)
9
アスファルト 雨の
匂い
(
きざし
)
を湧き立たせ 電信柱 家まで5本
9
塩味の飴を好んで舐めながら散歩するならまだ夏なんだ
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