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今ふうの 店に見た目の 麗しき カップル我は 老母と二人
10
雨の音呼吸するよう強く降りすこし弱まり再び強く
11
擦り切れた 母のテープに パリの朝 燃えたひとりの 少女の歌あり
8
春駒に袖振り明かし人々の喉を潤す水舟の水
9
発達の値引きシールを胸に貼り 選んでるのは私の方よ
8
レッスンの 机並べし 中学生 六十年前の 夫と重なりて
10
パリの空で 見果てぬ夢を 追えたなら みじめな暮らしの ままでも素敵
9
ゆるい陽が差し込む通路出口まで まだ濡れた傘片手に抜ける
5
「好ましい」「興味深い」のさりげない上から目線に 気づかないふり
16
姫歌う勇気を集め奇跡待つ不動の決意大山崩す
10
傘先で星を描くきみ憂鬱な朝にきらめき残してゆくの
8
しなやかに強き風雨に身を任せ紫陽花はきまま雨を楽しむ
29
どんな気持ちで聞いてたの僕が語る火星の夕日みたいな理想
4
続々と入る速報 吾の不安尻目にのんびり 君は毛づくろい
20
やわらかに笑う
貴女
(
あなた
)
の皺に見る 過ぎし日の笑えなかったこと
8
おっとろし 地を叩く雨 カエルとか オハオーカラスは どしてるのかな
16
羽もなき
顔
(
かんばせ
)
なれば見まほしと
黒禿鷹
(
クロコンドル
)
に想ひ募りぬ
7
轟々と唸る雨風肌寒く 長袖羽織る水無月台風 /皆様ご安全に
24
台風の
齎
(
もたら
)
せし 窓打つ
雨声
(
うせい
)
交通の危惧
躊躇
(
ためら
)
ふ出勤
25
野分来る 雨風憂う 前日は 明けて当日 然程でもなく
6
予報より 静かな音に ニュース見て まだこれからと 皆を案ずる
17
あまだれがしゅうねくドアをノックするあんな朝やこんな朝や
5
改修を見送るずさん運営の水族館に泣いているシャチ
29
紫陽花の艶を増す雨降りしきる瞼の母とあの日に帰る
10
「みどりなす君の黒髪美しや」「じっと見ないで根元は白よ」(真似かっぱ7)
14
朝が来た雨音だけが耳を打つ紫陽花濡れる猫雨宿り
16
野分前濡れてもいい服ひっかむる しまった寒い半袖ポロシャツ
15
膨らんだ レジ袋を ぶら下げて シナリオ通りに 帰ってきてんねん
11
落ち込みて 言ひ訳出来ぬしくじりに 眠れぬままに暁を待つ
31
かたらひの
中
(
うち
)
におぼえず
萠
(
きざ
)
したる三十一文字は涙となりにき
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