八日から始まる夏の九連休 遠出はせずに猫とたわむる/題『八』
6
「お魚が高くなったね」丁寧に小骨を外すアジの開きの/題『開』
9
盆なか日熱々赤飯届け来る猛暑もなんの米寿の義姉(あね)は
28
諸説ある 黄金の国 ジパングの 真偽のほどは 神のみぞ知る
6
おっかねい B29だ 防空壕  母が語った 爆弾の音
3
このたびも使ひ慣れたる杖突きてまた分け入らむ奥の細道
9
神をすて己を恃(たの)み栄ゆども 傀儡(くぐつ)のままに八十一年を
9
八重葎(やへむぐら)繁れる門(かど)の露けきにつきさし入るる夜ぞ楽しき
13
坊さんが問い詰められて困ってる「わたしと死後とどっちが大事?」
8
炎天下きいろむらさき白菊の願いを受けてそっと立ちたり
16
天命を 受け入れ人事 尽くすとも 一切皆苦と ただただ思ふ
3
花壇をば逸し 雑草に紛れて 立ちぬ白百合 ランプの如く
26
薄黄の オクラの花が 咲いた朝 寝ぼけた声で カラス起き出す
25
缶捨てにいけば日はまだ高くありお盆なかびの風もほろ酔い
6
さっきまで三人だった風呂上りゲームをすれば二人の世界
7
雑草とよべばずんずん生えてくる陰日向ない砂利の道でも
16
花火咲くお盆の孫の浴衣にもひとりの秋の風が忍びぬ
29
見つめればアイコンひとつにこめられし光と陰の中に溶けゆく
23
明け方の空に解(ほど)ける雲の背を追いかける夏 見つめるわたし
17
盆の夜に 孫らが集いて手花火の 揺るる閃光至福を覚ゆ 
17
東雲に 茜さす畔 虫の音の 袖振るごとく 明ける朝日よ
12
指切りできみと交わした約束にわたしはずっと支えられてる
39
夜なべして園用バック縫った日の記憶と今の時空が絡む
31
初孫に肌ざわりよい綿糸で編むおくるみの編みづらきこと
30
これ以上落ちぬようにと指先でつまむ夕日に烏(からす)が身投げ
4
健やかな呼吸を吸って吐いたとき たんぽぽの綿が飛ぶのを見た
5
巡り行く 墓を終いて 城終い 土に還りて また再生す
14
しのぶれど 色に出でにけり 我が恋は 祭りの灯影(ほかげ) 君を数えて
9
秋立ちて まだ夕風の 涼しさに 袖振る人ぞ 夏を惜しめる
10
立秋の 櫓太鼓を 囲ひぬる 踊る阿呆と 見る阿呆
8