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温度計プラスをさして立春の辻立ちよりもはやい旗振り
17
千体の観音を見ゆ回廊に居る訳も無しキアヌ・リーブス
14
世界ごと買える気がするAmazonで 短歌の本を探す指先
17
「合格」とメール届いていた今朝も鳥に施す一握の米
11
学び舎へ行けぬ娘は
春隣
(
はるとなり
)
ゆるむ蕾に希望を
抱き
(
いだき
)
27
列を
作
(
な
)
す 灯籠の
赫
(
あか
)
き
燈火
(
ともしび
)
古き和風のイルミネーション
22
早春の空樹の塔の尖端に 春告げ鳥は止まるだろうか
22
三層の劇中劇を観るような半覚醒の悩ましき朝
21
懐かしき帰らぬ人と語らえば夢は現に笑いは風に
18
満ちる月 炬燵に入りて 羊かんを 栗の寄りしぞ君へと分けむ
22
あたたかき空気がそっと身を包み振り子は元の平明に帰す
22
陽だまりの集う談笑心なき刺さる言葉は氷の世界
23
生更木の 凍てつく大地に麦踏みの ザクザクの音春近づきぬ
25
太陽も星もコンパスなるらしき 春待つ
白鳥
(
はくちょう
)
シベリア思ふ
38
聞き逃し ラジオ深夜便 朝に聞く 昭和の匂い 我、娘となる
12
冬晴れや水減るダムの底深く沈みし郷のまほろばの影
39
真っ白の庭に優しい立春の陽長かった闘病生活
12
悴
(
かじか
)
んだ指が何かを教えてるひと
気
(
け
)
の絶えた二車線の
路
(
みち
)
14
言の葉が ふわりふわりと 舞いながら 逃げ出していく 夢うつつの夜
10
かさね着の万葉・古今のかたわらにニュートン・オイラー置かるも愉し
15
膨張する宇宙の話面白き 意味不明なり 茶を啜るなり
16
十八歳
(
じゅうはち
)
の我らに教えし「たけませか」若き助教授リタイアと聞く/<撓み、傾斜角、曲げモーメント、剪断力、荷重>の頭文字
13
二十四の節気の月になじみよき
十月十日
(
とつきとおか
)
の「朝」の重さよ
13
冬の夜の空といえばオリオンと、うつむいたままそう信じてる。
4
追い焚きの概念のない浴槽で冷え切るまで潜り続けてる
5
相対的な世界に在るからねじれた位置の彼らともどこかでーー・ー
4
誰に何に縋ったって結局は 焼け石に水 雀の涙
6
弁当の用意。入浴。メールチェック。 オリオン座は嫌に鮮明
6
他人
(
ひと
)
の記憶 その日暮れほどの明るさ
4
花は散り色は褪せどもそこにをり その花の名を誰ぞ覚えん
5
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