失敗を恐れず熱くなっている恋の予感は考え甘い
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てのひらに収まるサイズの宇宙から手軽に受ける女神の啓示
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棚の奥にきみの魔法のティーポットあまい薫りの記憶だけある
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思いがけぬ旧友よりのメイルにて「明鏡に載らぬが…」と生存確認
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生きている私もキミも生きているあの日から三十年の朝
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取り組んだ一心不乱レコードにならない作詞家は熱いだけ
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西空に 彷徨さまよう様な 白き月 昨夜ゆうべ流した 涙が凍り
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早起きの褒美ならむや未だ暗き部屋に差し込む月明明あかあか
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神様にすがる思いも末吉に 伸びしろありよと看護師は笑む
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病院の待合室は皆黙るフェイクの花にも少し癒さる
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英明の神業ショット新聞に載るかなにあゝ地震に勝てず
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復興の 希望の光り灯る地に 三十年の 苦悩を想ふ 
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実力を発揮も敵はいないからまあいいかなと「ゆっくり」「のんびり」
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新しく作る時間に逃げたいの介護疲れへ新聞に載る
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不幸せを隠すように笑ってた頃のあなたが好きだったのに
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ふわふわと落ち着く場所に迷ってる 私と雪は多分親戚
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最近は いろんな物の がり あれよあれよと ついげる
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寝返りをしたら赤ん坊みたいに褒められたいな生きる全てを
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読み仮名がない言葉など分かるはずないだろ「ブス」は「好き」に見えない
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死にたさを手放してから何も考えられなくなった 健康はつまんないな
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冬休み明ける前夜に見つかった絵日記数学地理のプリント
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あなたが居なくなってから気づいたの 死んでもまだ可愛いとかさ
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保育士の給料少し上がったと頑張りに付く結果を話した
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思い出は回らなくなった観覧車壊すのには時間がかかって
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アパートがオール電化であっぷあぷシャワー借りても?いいよ浴びてけ
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一個ずつアップルパイを頬張って残り土産におかずも付ける
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底なしに明るいあなたに触れたら冷たくて儚くて手を握った
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奇跡とはあるかもだった初めてのパイがサクサクむすめ咲く咲く
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終活に向けて集めたオタグッズ捨てるしかないかなりくやしい/(少しずつ)
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甲高い声で呼ばれる「お父さーん!」いつまで呼んでくれるだろうか
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