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夕映えを背にしたひとつの窓の灯が
点
(
とも
)
るのを見る消えるのを見る
14
手持ち花火の遊び方分からない 火を繋いでくゲームはじまる
5
朱が夜に 染まる境は ビル群の狭間 ちょうど僕の真上に
18
誕生日 3の数字の風船が静かに揺れるみんな寝た後
39
醜さが表に出たら嫌だから無言でみじん切りして耐える
12
Xを見ているヒマがあるのなら一つでも多く短歌を読む
9
生きつつも死につつもまた生きつつも生死の間さまよう今日も
6
酷暑から猛暑になっただけなのに秋の気配を感じてしまう
9
悠久の富士の裾野の湯に浸かる たかが
五十年
(
いそとせ
)
お裾分けにて
15
懐かしき未知の昭和はどんな時代? 何も知らぬよ末期の生まれは
10
雨上がり雫たたえし露草の青を愛でをり晩夏の朝に
23
ショウヘイの記録みたいに言われても嬉しくはない
50
-
50
(
フィフティフィフティ
)
/今年の猛暑日-熱帯夜
16
休日は海を見に行く たくわえたパワーが枯れてまた海を見に
10
レシートがしおりがわりの我が読書トマト玉ねぎ豚肉チューハイ
12
輝いてばかりいないでぼくの話すこしは聞いて、ビニール傘
13
秋刀魚焼き大葉におろし届ければ 喜ぶ
義母
(
はは
)
によろこびもらい
33
ひねくれているのはついにおまえだけ こんなことをいうひともいなくて
6
屋上で風にあおられ乾く布軽くなるたび熱を
零
(
こぼ
)
した
6
金沢の公園脇のイタメシ屋 ハッピーアワーでフルボトル呑む(スパークリングワイン)
17
明けの星空白む頃ラジオから昭和歌謡の明るい調べ
7
大寺の瓦や黒し秋烏 飛ぶ虫を喰むせわしかふもり(金沢で酔っ払った)
12
歌人の夢や日常つつみ込む漫画を誰か描かないかな
11
ぎゅうぎゅうに 詰め込まれたる 車内から 助け求める 歌詠んでみる
15
ご無事でと 見送る背中 けし粒に ただ恋しくて 目をこらしつつ
9
紫に朱の差し色や宵化粧 峰みねを染め月を待つらむ
19
好きでした、が言えなかった。だってさ、私と同じ女の子だもん。
9
膨大な宇宙の隅の午後
7
時 はちきれ客車で吾すしとなる
17
青天の
霹靂
(
へきれき
)
空
(
そら
)
を引き裂いて
迸
(
ほとばし
)
る雨 夏押し流す
22
還暦を前に思案すボーダーは卒業かしら継続かしらと
29
向日葵の種の落つ 残暑は座る 秋の
領域
(
テリトリー
)
より 去らぬ夏
19
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