同クラは出ない 水泳決勝戦 大歓声に プールが割れる
17
シャリシャリと月の形の梨を喰む夜暗がりに小さく泣いて
26
雨対策第一人者の顔をして 靴も手も荷も守れない「傘」
6
日々を詠む うたの しずくの 集まりて  渇く心に 慈雨のじんわり
61
小吉なら連れ帰らない 徹底した 私はアレか おとなげないか(笑)>伊右衛門おみくじ
16
検診後 おむすびくれた 同僚の 優しい気遣い 心に火灯す
14
襲来す!他人の仕事に噛みつき魔まったく不要のご指摘サンクス!
12
帰っても風呂に入るだけの私は雨粒の中で踊ってみたり
19
時は過ぎ 巻き戻せぬと 腑に落つる 一人旅での 静かな夕べ
21
黄緑の パリっと弾ける 香しさ マスカット食む 秋の幸せ
18
どうしても浮かばなかったアイデアが出てくる とにかく始めてみれば
8
君からの穀雨のような頑張れをトイレの中で見返している
9
アディショナル ここで全てを くつがえす  空費が奇跡に 転じ始める
4
幼子おさなごが きし多彩な 抽象画  値千金あたいせんきん 我が家の家宝
17
振り返り片手を上げて去った人それが最後となってしまった
8
引き返す 荷物はテントに 置いてきた 頂上に立つ 君は身軽だ
10
ゲルに来た 知らぬ人間 殺すため 絶対噛み付く モンゴルの犬
11
人生の三叉路に立つわたくしに秋はやさしくあいさつをする
7
腹痛のおちてくを待つときのまにおもふ革命、その可塑性を
6
暗がりのなか額を冷やす一枚に「はじめて」と笑う熱っぽい彼
8
予報より早く降ることしらせしは波打つ稲穂と風の匂い
25
あの空の 向こう側は 見えずとも 心のままに おもうばかり
10
うるめ干し肴に酒を呑む夕べ猫が戸口でにゃあにゃあと鳴く
12
白壁に果てし無く呼吸器の音配偶者に神父の十字架
6
春眠に 負けず劣らず 睡魔飼い エアコンきいた 居間で力尽き
19
恋のチェスカーリング  第8エンドを終えたとこ 君の気を引く話題ストーンは尽きて
11
海を越え廃れた城へ向かう君 背中にはふるさとの香りが
7
夜になればわれのベッドにへそ天で寝ている猫の野生はどこに?
30
ガラクタに 埋もれ忘れし 宝物 忘れたことも 思い出せずに
16
本当の 親はどこかに いるだろう そう思うけど 顔はそっくり
6