胸元に リボンがついた洋服の 似合う少女で ありたかったな
2
それじゃ始めてくれますか 二幕 二場 客に向かって代役交渉
1
置き去りの缶コーヒーのフタ開けば誰のため息まだぬるく漏れ
2
こっちもさぁ 知ってるんだよ 君がさぁ いつか僕らを、置いてくことを
2
どうせ手が届かぬならば愛し君 そんなまばゆく きらめかないで
1
他人ひとのように あなたに近づけやしないから 一言ことばわす それだけで幸せ
0
胸の上 リップで書かれた「バカ」の文字 ごめん、なんか、ばり興奮する
2
まわるまわる時代はすぎたすぎた時代をながめるわたし
1
『完璧』の名前を冠するその菓子を グラスごと壊したくなる衝動
1
何気なく発した「くそあつバヌアツ」に「くそまずバラムツ」と返せる友
3
泣きたくなる くらい優しい人だから 遠いところで 幸せでいて
1
打ち寄せる 波が素足に 戯れる 君は黒髪 潮風まかせ
1
秘めごとを秘められるひと 暗がりの甘さ、脆さを知っているひと
5
夜更かしが夏の終わりに増えるのは 秋を早めに感じたいから
2
永久にあなたの帰りを待ってます 夕日のにおい満たした部屋で
1
晴れた夜だ タルホサンドを買いにゆこう 月のスライスダブルのやつを
4
太陽が 割れればぼくら また会える 会えればぼくら 月でも産もうか
2
置いたまま過ぎゆく時間ときを触らずに任せていった、ごきげんようを
1
最下層の留守電を消す夏の朝 飛べよ飛行機、雲途切れても
3
神性の宿るもの。振動、光、それらに乗せた君の祈りも。
1
世の糸の絡まってひとすじ光る君の祈りの美しいこと
5
はんだから出る湯気吸ってifを見る ムショの飯から出る水蒸気
3
この世にも在れよ剪らせよ 君よ、千万年後の恋人へのダリヤ
2
愛にできることはもうないんですよ、ご存知ですか、いかがでしたか
5
どうしたいかも見えぬままいとしくて、恋する前に愛してしまった
2
ナイーブでいいし、泣いちゃってもいいし、壁に落書きしたっていいよ
3
女などと名乗れない ただ欲しがって どうせいくつになっても幼女
2
「コンビニに行く時思いましたよ」と最高気温の話題でつなぐ
2
「鼓動には限界数がある」という君に日に日に殺される僕
3
ごめんねと排水口に流してく 嫉妬それからあの頃の恋
0