現実は 愛されぬまま じっと耐え 平然として 日課をこなす
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戦わず リングに立たず ぶるぶると 震えていては メダルは獲れず
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叶わない 夢を追いかけ 50年 老いぼれてなお 何も悟らず
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一人では 淋しいものよ 二人では 窮屈なもの どうすりゃいいの
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ぶつぶつと 唱える以外 何もせず 何もできない 雁字搦めで
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高速で 命知らずの ドライバー ヒヤリとハッとや 二度と行くまい
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悔いは無し 蝉の鳴き声 終わる頃 砕けた夢を 切り離す吾
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鼻詰まり それに加えて 行き詰まり 手も足も出ず 為されるままに
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旅先で着なかった服ひと払いしてから袖を通して出勤
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東方に逸る奇想をバラすには223 八百万bitごときでは足りず
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合掌もしない子孫に助け舟感謝と心苦しさ黄泉へ
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薄闇の地下駐車場 サラサラと 老警備員の自転車がゆく
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星海夜 天を仰ぎて 我を見る 輝かざりし おのせい恥ず
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青と赤混じり合ってく空仰ぐ まだ夜なのかもう朝なのか
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小手先の技術で魅せる フライパン皿乗せ返し円盤餃子
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「頑張れ」と机に向かう子背中見てエアー素振りで眠気を飛ばす
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お隣のご主人の焼くバーベキュー 子らは遊びに肉そっちのけ
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「大丈夫?」って聞かれたら「大丈夫」って笑って言うしかないじゃんか
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西日差す 新大阪のホームにて 長き別れの 予感抱きて 
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エメラルド色の湖面を石切りのように撫でゆく風の寂寥
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生理ないそれしか繋ぎ止められぬあざとさ狡さ甘えを責める
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汗かいたグラスの中の氷にもカタリ気を抜く反骨心が
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もう二度と振り向かないならせめてその理由は泣けることがよかった
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青東風あおごちと 従兄の苦言 耳刺さり 我省みる 多し半生
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覇気がない 従兄指摘す 我が人世ひとよ 耳に刺さりし 真夏の横風
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すいすいと秋のさきぶれ赤とんぼ サーファー真似て乗る青田波
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生命といえばぬるんだ溜池が濁っていくのも生命のせい
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焼き鳥に焼き払われたお母さん 仕方ないです 仕方ないです
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レントゲン義母の肺には白き花いつか茂って義母を覆うか
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「あ」と言えば 一文字分だけ訪れる静寂さみし ひとり寝の夜
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