灯屋  フォロー 78 フォロワー 78 投稿数 513

きっと皆んな繋がってるよね。

終戦も敗戦も知らずぴらぴらと映えを求める僕らの自由 

揺らぎいる哀しい予感祈りをり貝の風鈴小さく響く 

ポケットの鍵握りしめ帰る夜を道の窪みに子蛙光る 

叫びたる鋭き獣棲むわれにコーティングする無害な糖衣 

父親といまだ手探りしずしずと我れを沈めてなごやかである 

即身の仏か祖母は細くありクーラー入れぬと意地を張りつつ 

避け歩くかたつむり踏む事なきようこの優しさは誰にも見せず 

地の上に着くかと見えて跳ね返り狂おしく舞う夏の夕立 

玄関に母が寄せ植えしてる花学校帰りの僕に優しい 

生きている僕らだけ知る死の哲学 夕焼けに鳴くつくつく法師 

ハンガーにかけて干すシャツゆっくりと回りて僕に向き合ってくる 

好き勝手言うね担任懇談で 味方になってよマルコムX 

「いつもの出しておきますね」耳鼻科医の薬が効いて柔いねこ抱く 

この国はいま真っ赤なる唐辛子見た目も辛く噛んでも辛く 

肉体の疲れにあらず教室は糸絡むよう心疲れる 

巻き戻す動画十秒ちりちりと闇のどこかに滑りてもどる 

君はもう僕を忘れているんだろ 君から借りた春樹は読まない 

ブルーベリーひとつづつ噛み笑いあう灼熱のわりになめらかな午後 

薔薇の聲聴こえなくなりさみしけれ蝶と戯れ笑みならばよし 

切なさは空から降って風に消ゆ 言ってみようか小さくバイバイ 

「もう冷めた」言われた後に飲み込んだぬるくて苦いアイスコーヒー 

ウリを持ちメロンより好きだと祖父は夏の光りの皮をめくりし 

嗚呼、僕のショックは強くあったらしい机に黒靴置いているとは 

龍のよう幼きころの担任は空に泳いで消えゆくけむり 

窓開けて教室の熱街に出す 煮込みシチューの蓋開けるごとく 

顔あげて画面じゃなくて僕をみて孤独にさせる君はきらいだ 

昂りに身を任せたか僕の頰 母打ちてけり泣いたのは母 

雨の中走った靴がじゅめじゅめと玄関タイルを卍に濡らす 

てのひらに母の頭を持ち上げてアイスノン敷くワクチンのあと 

ナナカマド枝おろされてアスファルト昨日と違う影絵を歩く