灯屋  フォロー 82 フォロワー 84 投稿数 515

きっと皆んな繋がってるよね。

これ以上撃たれることはないくらい雨に打たれる奴の上靴 

泣いている君の頭を撫でながらけっこう僕もへこんでるんだ 

紺色のカーディガン着る君は今何に耐えてる僕に教えて 

君のペン君の小説君のお茶僕の部屋には君だけいない 

右腕の二十七個の骨たちを励ましなだめ試験に挑む 

二週間前の僕らの生活を試されるため おでこ差し出す 

マスクとる君を初めて見た時に鳴ったチャイムと雨の匂いと 

この風は秋の素粒子滲ませた学校帰りの君のくちぶえ 

貸りていた教科書の隅「バカ」と書き笑い合った日 忘れずにいて 

飲みかけで君が置きたるコカ・コーラ ベッドの下に置き去りの夏 

窓開けて半袖の腕すり抜ける秋の色した風木霊する 

夕焼けを合図にカーテン閉めるときここぞとばかりレールははしゃぐ 

なみなみとグラスを満たす透明は溢れてしまう不安があって 

何度目の「コロナ感染過去最多」壊れ始める平熱の僕 

澄みわたる空に九月の雲浮かび 祖母の肺だけ黒の影ある 

朝礼の前にとがったメガネ拭きハナエ・モリ着た女教師の粋 

雨上がり茜がとどく窓ぎわに蜘蛛はたくみに金の罠はる 

君の声記憶もすでにうすれゆき今宵静かに消去しようか 

夕立に濡れる風情もまたよしと友の墓前で長く佇む 

くるぶしが小さかったと君想う ゆうべの夢は思い出せない 

小指から君の体温伝わって嘘つかないからこのまま切るなよ 

約束は小指の先からするするといつか忘られ言葉はたわむ 

小宇宙うつる雫のふくらみが水の輪となり光あつまる 

化粧塩美しく身を整えし豊かなる死でもてなす鮎は 

一分の祈り捧げる黙祷に我も我もと降る蝉しぐれ 

夕陽差し明暗しだいに増してきて高層ビルは発火してゆく 

僕もだよ寂しがりだね草の穂にすがりて動かぬてんとう虫は 

孤独感ふかめて独り歩きゆく夜に落つ花風にころがる 

この庭の雑草強く空からの陽も雨も月も栄養とする 

クマゼミは死に物狂いで夏知らせ狂えぬ僕は少しだけ泣く