灯屋  フォロー 91 フォロワー 91 投稿数 546

きっと皆んな繋がってるよね。

玄関に「お邪魔します」も言わないでバッタが僕を複眼で見る 

一房の紫葡萄熟れてゆく美術室横描かれただけ 

窓ガラス額つけつつため息で始発のバスは我ために発つ 

雨上がり道照らす月静かなり 雲のまた上 宇宙そらの確かさ 

秋の夜を僕だけのため使いきる鳴くか鳴かぬかスマホ眺めて 

長靴が持ち主捨ててアスファルト寂しそうやら気楽そうやら 

貸した本ページの角を手折られて ヤツのニキビが増えますように 

たよりない日々の蒼さを濾過させる「また明日ね」の君のひとこと 

家出した猫がふらりと帰るよう君の居場所で僕は待ってる 

部屋のすみ古いスマホと君の写真 想い出せない会話があって 

黒い蝶秋の味する蜜を吸う爽やかな朝は身に辛かろう 

日暮れきて月飾るため夜がくる舌突きだせば風に切られて 

透きとおる青空それはスライドし雨アスファルト黒く染む 雨 

一人居の祖父の裏庭わっさりと今年も葡萄ずっといきてて 

まるい虹かかればみんなペンを置き窓に集まる子供の目をして 

真夜中に期限切れなるどら焼きを昨夜食べたわ 僕、元気です 

窓開けて入り来しならむたんぽぽの綿毛はしばし老猫と遊ぶ 

朝の陽は閃光となる紋白蝶ポニーテールの君が横切る 

月見えず雨の電話は雨が聴き 僕の弱音は誰に話さず 

月光がこぼれて濡れるアスファルト秋の空気は雨待ちながら 

人の世に幸不幸あり名月はすべて見ている手出しはせずに 

暮れなずむうろこ雲支え曼珠沙華 鈴虫お前も紅く染まるか 

泣いている君の頭を撫でながらけっこう僕もへこんでるんだ 

君のペン君の小説君のお茶 僕の部屋には君だけいない 

右腕の二十七個の骨たちを励ましなだめ試験に挑む 

二週間前の僕らの生活を試されるため おでこ差し出す 

マスクとる君を初めて見た時に鳴ったチャイムと雨の匂いと 

この風は秋の素粒子滲ませた学校帰りの君のくちぶえ 

貸りていた教科書の隅「バカ」と書き笑い合った日 忘れずにいて 

飲みかけで君が置きたるコカ・コーラ ベッドの下に置き去りの夏