灯屋  フォロー 91 フォロワー 91 投稿数 546

きっと皆んな繋がってるよね。

窓開けて半袖の腕すり抜ける秋の色した風木霊する 

夕焼けを合図にカーテン閉めるときここぞとばかりレールははしゃぐ 

なみなみとグラスを満たす透明は溢れてしまう不安があって 

何度目の「コロナ感染過去最多」壊れ始める平熱の僕 

雨上がり茜がとどく窓ぎわに蜘蛛はたくみに金の罠はる 

君の声記憶もすでにうすれゆき今宵静かに消去しようか 

夕立に濡れる風情もまたよしと友の墓前で長く佇む 

小指から君の体温伝わって嘘つかないからこのまま切るなよ 

約束は小指の先からするするといつか忘られ言葉はたわむ 

小宇宙うつる雫のふくらみが水の輪となり光あつまる 

化粧塩美しく身を整えし豊かなる死でもてなす鮎は 

一分の祈り捧げる黙祷に我も我もと降る蝉しぐれ 

夕陽差し明暗しだいに増してきて高層ビルは発火してゆく 

僕もだよ寂しがりだね草の穂にすがりて動かぬてんとう虫は 

孤独感ふかめて独り歩きゆく夜に落つ花風にころがる 

この庭の雑草強く空からの陽も雨も月も栄養とする 

クマゼミは死に物狂いで夏知らせ狂えぬ僕は少しだけ泣く 

雨宿りどこでしたのかうちの猫虹眺めつつ足を拭かれて 

揺らぎいる哀しい予感祈りをり貝の風鈴小さく響く 

叫びたる鋭き獣棲むわれにコーティングする無害な糖衣 

即身の仏か祖母は細くありクーラー入れぬと意地を張りつつ 

地の上に着くかと見えて跳ね返り狂おしく舞う夏の夕立 

玄関に母が寄せ植えしてる花学校帰りの僕に優しい 

生きている僕らだけ知る死の哲学 夕焼けに鳴くつくつく法師 

ハンガーにかける制服ゆっくりと回りて僕に向き合ってくる 

「いつもの出しておきますね」耳鼻科医の薬が効いて柔いねこ抱く 

君はもう僕を忘れているんだろ 君から借りた春樹は読まない 

ブルーベリーひとつづつ噛み笑いあう灼熱のわりになめらかな午後 

薔薇の聲聴こえなくなりさみしけれ蝶と戯れ笑みならばよし 

切なさは空から降って風に消ゆ 言ってみようか小さくバイバイ