灯屋  フォロー 78 フォロワー 78 投稿数 513

きっと皆んな繋がってるよね。

理科室の硬く冷たい木の椅子に優しく沁みる五月雨のこえ 

夕焼けが居残りしてる二十時に僕のパジャマは月を待ってる 

クリームかバターのようだ君の声口に入れるとたちまち溶ける 

朝焼けは浅い眠りをくり返し栞はさまずページはおどる 

窓開けて猫のはな息ほどの風入れても目には緑あふれて 

目覚めたらねこを百匹抱いていたような湿り気風くれぬ窓 

五月雨に追いかけられて逃げきった数だけ僕は大人になれる 

悪事する彼の横顔華やぎて認められない嫉妬してると 

舌の上転がしきれぬ感情を呑み込めもせず吐き出せもせず 

一輪の薔薇とぼくらの真心をお届けしますしっかり休んで 

万引きは犯罪ですの貼り紙で食い止められた人に逢いたい 

崖ふちで ふるえ佇み怯えてることはなきよう地球は丸だ 

教室の破れかけてるカーテンはいつか誰かの青春だった 

あじさいと雨がダンスをしていますそれを眺めるぼくとみつばち 

寿命超え生きとし生けるもの総てはじめから見てる月の光は 

ばれぬよう君の香りがするシャツを一番底で抱く洗濯機 

日暮れきてつんざく稲妻空を割る やめば仏間の菊の静けさ 

葉が茂る葡萄のつるを手でよけて腰伸ばす祖父 夏の入り口 

右斜め後方の席に君が来て 右の眉毛をキリッとする俺 

初夏はつなつの山から薄荷の香りする動物園に象はまだ居ぬ 

檸檬切るナイフ休めて横顔を君の横顔思い出していた 

耳持たぬサンドウィッチを見習って切り捨てるもの少女の嘘は 

メモ書きで君が去るとは思わずに朝焼けは心わずかに奪う 

自己愛が例えば赤い色ならば僕は全身血まみれだろう 

嘘ついた君と気づかぬふりの僕いつも以上に笑って歩く 

引き出しを開けると大事に取っといたシール見つけたような夏だな 

結ばれた黒髪はもうほつれかけ 薔薇が紅くて薔薇が紅くて 

刀折れ矢が尽きて尚東雲の灯り欲して手で月包む 

悪気ないピエロが俺を嘲笑う見えぬ掟の 一人教室 

斜め横出火の家のヤマツツジこれ以上なく水を浴びてる