美しい歌を知ってるあのひとは いつかその歌に 復讐される
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この世界 誰もお前を救わない プリンセスでも闘っている
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会いたいと言えば驚くだからときめきをみたいに変えた、可能性
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いままさになにかわすれるようにしてシンクの水垢をゴシっと消した
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夏は過ぎ、未だ鳴く蝉の歌声は 生きた証を鼓膜に刻み
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自分から望んで生まれてきた人はいないはずだが特に私は
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にせもののいちごの味を舐めとったあとでにせものの海を味わう
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占いに「モテ期到来」とあるけれど ひとりでいいの たった ひとりで
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恋をして君を忘れて恋をして君を忘れて恋を忘れる
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「そこにいてほしい」というこの感情の名前が「愛」だと初めて知った
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ベランダで夜空を一人見上げてる ただそれだけでなんか落ち着く
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動きだす貴方の時間の代償に、私の時間は凍えたままで
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「顔が好き」 端正だから、とかじゃなく 好きなあなたの顔だから、好き
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夫でも彼氏でもない友人とドライブをする秋空の下
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猫ならば君の涙を掬えたか このヨコシマで猫にはなれず
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あらごめんそんなつもりじゃなかったの(勝手に傷付くなよという顔)
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砂糖まぶし滲むは涙かこの恋は煮詰め蓋をし仕舞い込む
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振り向けば なんてこと無い あぜ道だ 雨になるのか 入道雲よ
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君のいる町はそろそろ秋ですか おなかを出して寝ていませんか
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学び舎の蒅すくもに浮かぶ藍の華恩師懐かし爪の止紺
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好かれてると思ってたけど勘違いみたいだ石を蹴り蹴り帰る
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秋の日は釣瓶落として言うけれど釣瓶もなければ遊ぶ子も見ぬ
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秋なのに秋刀魚も鰯も喰えぬとはせめて茄でも嫁に喰わせむ
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爪先に わたしごときがそんなにも 綺麗な色を塗ってもいいの……?
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君こそが夜空の真の一等星と君自身さえ知らなくていい
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言葉さえ 仲間がいるのに僕はもう なあどう思う、類語辞典よ
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鮮烈に 君を思えば 夏の色 日焼けの肌に 染みる恋かな
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昨日まで 君がいたんだと 雄弁な 無音に染まる 夏の葬列
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綿織りの硬い触りのワンピース 風になびかず堂々行こう
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秋が来て涼しくなったと思ったら握った君の手その熱いこと
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