何回も針を戻した壁時計 必ず遅れる使命のように
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雨雲が近いと知らせる片頭痛 無神経にも暴れる神経
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あのひとに 会いに行きたい 訳じゃない ただあの光に焼かれたいだけ
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あした世界が終わるという噂でよろこんだ方の生徒でした
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山奥に そっと静かに差し込んだ 朝陽のような声、消えないで。
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夕涼み 秋風揺れて ふと気付く 取り残されたる 風鈴の音
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燻製の盛り合わせにて会いましょう いつかの焦げた思い出たちよ
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書店にて立ち読みすれば千年が経って足場にネモフィラの花
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切り分けた 果実の片方であるならば どうかどこかで、幸せでいて
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死にたくはないけど生きたくもなくて 午前1時のコンビニご飯
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なれるなら貴方の顔になりたくて、行き着く先は愛されたくて
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「美しい人」だと思う。違います、顔だけの話ではないです。
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つるり日曜日が零れ落ちてった「ここにお代わりお願いします」
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美しい歌を知ってるあのひとは いつかその歌に 復讐される
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この世界 誰もお前を救わない プリンセスでも闘っている
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会いたいと言えば驚くだからときめきをみたいに変えた、可能性
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いままさになにかわすれるようにしてシンクの水垢をゴシっと消した
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夏は過ぎ、未だ鳴く蝉の歌声は 生きた証を鼓膜に刻み
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自分から望んで生まれてきた人はいないはずだが特に私は
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にせもののいちごの味を舐めとったあとでにせものの海を味わう
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占いに「モテ期到来」とあるけれど ひとりでいいの たった ひとりで
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恋をして君を忘れて恋をして君を忘れて恋を忘れる
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「そこにいてほしい」というこの感情の名前が「愛」だと初めて知った
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ベランダで夜空を一人見上げてる ただそれだけでなんか落ち着く
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動きだす貴方の時間の代償に、私の時間は凍えたままで
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「顔が好き」 端正だから、とかじゃなく 好きなあなたの顔だから、好き
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夫でも彼氏でもない友人とドライブをする秋空の下
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猫ならば君の涙を掬えたか このヨコシマで猫にはなれず
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あらごめんそんなつもりじゃなかったの(勝手に傷付くなよという顔)
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砂糖まぶし滲むは涙かこの恋は煮詰め蓋をし仕舞い込む
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