土曜日に アイロンかける 日課増え ビジネスマンの はしくれとなり
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試みに 我がたましいの 叫び声 三十一文字に 刻んでみたい
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ちちはは父母と墓参りした秋分は一年前かおはぎ食べ思う
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持っていきそびれたもなかがひと月の湿気の分だけ棚を圧す秋
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まだ少しひんやり乾く部屋の中 秋というものを待ち続けている
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将来は農業をして生きたいと新幹線から思う、思うだけ
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差し出した この手は届かなくていい これが最後で、かまわないから
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運命と知らないままで取った手の生命線をかさねて走れ
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致死量の ひかりを浴びた夕暮れと わたしはきっと、戻ってこれない
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ほらご覧 君たちを焼き尽くすため ここより生まれた業火伯爵
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呪われた茨が次第にからみつき この恋がいずれ わたしを殺す
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一匹でないてる蟬と六畳の一間ひとまつがいになれないわたし
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握る手は運命線に接してるスマホの中の消せないLINE
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ねぇねぇ、と君が呼ぶ声甘くって 君の抗体獲得できない
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水溜まり信号の赤反射する 君が来ないと息が痛いよ
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意味なんて なくてもいいの いくらでも 付け加えたきゃ どうぞお好きに
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なりたいな 理想の大人 どこへやら ごまかすことだけ 上手になったよ
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恨みます そんな言葉で 済むものか 地獄に落ちろと 睨む他なし
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君の目が瞬きをする瞬間に生きてると思う新鮮なほど
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その前に急ぎハーブとスパイスを飲み込むきたる火葬のために
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わからないものをわからないままでもゆるしてくれる星で死にたい
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‪あの子から電話が来たの間違えましたってすぐに切られたけれど‬
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‪死んでから愛されたって意味がないけれど愛されるなら死にたい‬
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笑いじわ浮かべる君が好きでした。明日は誰のために笑うの?
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頑張りに打ちのめされて階段の段の多さに吸い込まれそう
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各々が個人をしてる同じ椅子 一人分をはみ出さないように
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‪三十歳 死ぬには若い躊躇なく喫茶店にも一人で行ける‬
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‪二十九歳はババアと言われるがきっと死んだら若いと言われる‬
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‪まだ生きているのかなんてあのときに引き止めたやつらに言ってくれ‬
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原爆の 投下の訳さえ 知らないと 答える子らに 歴史説く
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