泣きながら気づく草木の微笑みも 秋の寒さに少し吹かれて
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夕日見て晴れるといいな言う君の 一秒後すら分からないのに
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いつからだ コミュニケーション力ばかりが評価される 世になったのは
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行き帰り 交互に運転した時間 ふたりの時間 至福の時間
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ぼくたちに世界がやさしくなくたってやさしい人であれますように
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いまはただ 感謝するほか 術知らぬ 親の大恩 みなの親切
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優秀な コミュニケーション技術とは 上手に陰口 たたく能力
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帰り道 仕事の憂さをはらすには 歩く男が マストアイテム
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手繰り寄せぺたんともいちど貼る月が見えますかってこっちを向いた
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ふりむいた彼のまつげに落ちる雨 今夜はおおきな海でおやすみ
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あの時が あったから私 生きている 街染めあげる 夕焼けを君に
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そんなとこ停めんじゃねえよと言われてもページをめくる隣りもPで。
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なぁ少年 己自身を全Betするような恋は やめておきなね
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死んでゆき 腐臭を放つ 感情が ただ忍びなく 雨音を聞く
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君にできないことといえば あの星を 欲しい人ぶん、増やすくらいか?
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彗星の私はからだを削ってる 家と職場の楕円軌道で
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痛いとか泣かないカラの袖口に掴まっているあの日のバレッタ
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友達が言うにはこれは「寂しい」じゃなく「恋しい」と言うべきらしい
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幼子の けがれなきを見る まだ何も 知らないのね 恋することも
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明日の色 見知らぬ色の東京を わたしの代わりに届くエトセトラ
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帰宅即 スーパードライが お友達 秋の夜長の はじまりはじまり
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現実の想い出だけじゃ足りなくて 君の代わりとままごとをする
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六十万 ボニークライドには なれないけど 折半しようよ 生きていこうよ
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「恋がしたい」 吐き出す唇 動かぬ手 「退屈しのぎの ルサンチマンでは?」
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空に灰色の猫が横たわって犬好きの君は傘を買った
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こんなもん 下の句上の句 整わず あたしの感性アートは そんなもんかい
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冷蔵庫共に夜明かし参ったね不眠の虫がブーンと鳴いて
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帰り道 明日のタスク 順序立て 歓楽街に 紛らす孤独
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帰り道 カレーライスの香りして レトルトカレーを買う身 寂しき
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時経ちて鳴る着信が宥めていった夕暮れの雨で落ち着きを。
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