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中田満帆
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森忠明に師事。歌集「星蝕詠嘆集」、歌誌「帆(han)」発売中。現在、寄稿者募集中(連作のみ)。
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縁側にパンク・ロッカーたちさわぐような秋さえ遠ざかる夜
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神などあらじとは云え冬桜咲くところに祈りなど存って
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天使売買す──真昼どき老婦人らの手の皺光る
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いつになくおびえているの? あなたには架空官吏の娘がいるの
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たまさかの光りのなかを鯱泳ぐ いつかのように泣いてみたいよ
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これからもつづくといえる? 交じりあう信号機など見えないとして
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うたかたのときのなかには悲しげな生きものもいてぼくはうれしい
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乱反射するきみなどあらじつかのまのゆれる花さえわれにきびしい
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『病める子』の画布に重なる娘をりわれは見つむるわずかな季節
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光りのように輝く忍耐ありしもやがて砕けて阿部薫の肖像があり
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夜泣きする射鹿のように深々と水をかぶれり永遠の夢
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いずれかに道などあらじ湖水さえあらゆる
苦
(
にが
)
を湛えるごとく
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だれがだれを裁く 赫い花咲くところまで虜囚歩きつ
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発ちさわぐかぜのなかから手を展ばす清掃人の貌また寂し
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汎神に応えよ 沖流る競技用ボートゆれる潮で以て
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せめて幾許かの赦しをと声がして改札口で禱る男ら
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秋祭 射的場に立つ子供らのライフル銃の照準寂し
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口惜しき過古ありぬ ぼくら係留場の反対にゐて
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守一の猫たちどまる秋の雨いまだ降りをる窓を眺めて
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連帯もなくてひとりの膚を抱く わが同一性を照らす雲雲
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バウムクーヘンはじっこ噛みぬ 夏暦忘れんときに驟雨来たりて
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秋迫る ひねもすのたりきみの手は桔梗色した諧謔ばかり
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みみずくの眠りのなかに迷い来し男は高所恐怖症なり
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……と、おもえてならず夏の根の枯れていっぽん死ぬまであがく
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一篇の詩さえも痛苦 根菜のまっかな茎を囓るみたいだ
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早漏治すべく運動ももはやだれも愛するものなくって
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beadhead 聴きつつ天気予報覧る そうかあさっては嵐
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裏階段上るだれかのかげをいまひとりじめする身勝手ばかり
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〈屠〉という字やがて葬らるる字なり夏の蝿集る場所もなくて
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一篇の詩は極まれり また画布をひるがえすのみ無名のひとは
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