誰にでも好かれる君が恨めしい 好きでいるのは僕だけでいい
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今 どこで あなたは何をしているの 心ざわめく 台風の夜
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夏風呂の湯気と霞で海月の 月と書くほど朧に揺れる
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人は皆 今が一番 若い時 後退は無し 進めよ進め
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君がいたタイムラグの空間に突き抜けないメロディが鳴っている
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離れてる君に対して切に願う 君の安全 君の健康
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耳鳴りが止まない暗い部屋の中一人毛布で膝を抱える
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ほろ酔いの夏ハステイラかけられてかしら失いあとの祭りね
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一瞬でも例え払われたとしても 貴方に手を伸ばせて、よかった
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いいからさ きみは誰かと結婚しバウムクーヘンを食わせろ、俺に
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眼を閉じて浮かんでくるのを確かめる ドキドキするよ君の残像
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千円を超えるお寿司を買ってきておいしいねってふたりで笑う
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おなじ夢見たいから指と指とをほどけないよう縫いつけておく
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かわいいと言って欲しいと思うのに それを伝えることはできない
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日本史の教科書にだけ存在し世界史のにはいないオジサン
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「可愛い」を集めた図鑑あがないて32頁にテトロドトキシン
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「つんざくまでは帰らぬ」とふ少年に 朝顔の群れ、無精の叫び
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ざらざらに 糖衣がけした約束 と 錆びた脅迫  おなじ手触り
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ここまでを八月として綿あめがほろびさるのをあおぎみるふたり
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信じれる 人がいること 救いだな 水に導く ホタルのように
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たつた一人の怒れるきみのために聴く胎教音楽きつとやさしい
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ない恋の歌を詠んでは灯籠をさらりと流すみたいな供養
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夏なんでってむりくり爽やかを色づけしている野菜カレー
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母の味じゃないコンビニプリンが好き こんなに遠くまで来たのに
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コンビニのプリンは黄身色で 猫は柔くてやっとね終わった
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世界は想像した通りだったか 7年間のセミの土中夢
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行きたくて行きたくなくてうつむけば 架線の上ににじむ満月
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カキ氷今を生きたらこわれるし 五分後くらいの私でいい
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秋ならば涼しくなれよもう少しちっとも寂しい気持ちになれやせぬ
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少しだけ優しくなれる色合いに世界が染まる 君も見てるかい?
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