拓治  フォロー 0 フォロワー 2 投稿数 115

「菜の花忌」十四歳より愛すなり 志立て「歴小」読みたり 

工事場の裏の奥には薄緑 ヨモギ摘み取りいと柔らかなり 

風車我が町なりの伸びやかな 風景の中に光りけるかな 

恵方巻き「何も言わずに食べよう」と 話して吹き出し「美味しい」とこぼす 

カンピョー巻き父と二人で食べにけり 「素朴な味が一番だ」徒云い合う 

乱世にて救世主の徒が現れて 桜の小学生清められたり 

乱れた世救世の徒が現れて 桜の小学校清められたり 

菜種梅雨夜の外出迷いける 隣の施設入るに乱れつ 

ジャガイモを半分にして灰付けて 子供等喜々して種植え付ける 

卒業式クラスで唄を歌いおり オフコースの「さよなら、さよなら、・・・・」 

十六歳大人の世界を知らぬ間に 入院したる冬の苦しみ 

街の野に拾われる女(ひと)とこの我と 二人してやがて詩人になれり 

水温み春の小川の畔にて セリの匂いの弁当広げぬ 

都筑区のマンションの山眺めながら 昔の蛍の光が浮かび 

「文学は漱石一番、明暗は一番怖い」に恩師おののく 

雪をかきついでに鎌倉作りみる 元気な子供ら手袋叩く 

春行事ぼた餅持ち寄る重箱や モグラの穴にこぼしたお彼岸 

「110番子供の家」と通学路 昔ながらの通りにありき 

畑起こしうねりうねりと耕せり 春陽を浴びて遠く見渡せり  

桃の花丹精込めて植えられて ささやかな香り仲春過ぎまで 

一枚の花札の如く桃の花 仲春に咲けり皆立ち止まる 

一本のハナ札の如き 一枚の花札の如き桃の花 忡春に咲けり皆立ち止まる  

仏像に熱いお茶かけ手にやけどしつつしびれて将棋勝ち寄す 

花曇り咲くか咲かぬか惑えども 木の芽に桜の記憶ありけり 

可憐なる黄色い花は幼子の ブーラブーラミニブランコの如く 

寒明けに嬉しいこと豆食べる 鳩がいるなり平和な春や 

春の川淡雪トロトロ消えてゆき 我のわだかまり融けてゆくなり 

岬の浦伊勢エビ老舗並びおり 五千円マーク五万と見違う 

春の土匂い起こせよ井戸の底 はさまるカボチャホイと手に取る 

春畑うねる波のよに耕かされ 可愛い芽を出し実る夢見る