拓治  フォロー 2 フォロワー 10 投稿数 264

盆東風の飛沫に乗りて静かなる傘のポツポツ秋の失恋 

この谷は深く深く 峠の前の 神かがったような空気 

看る親と病児の摩擦流星の夜に紛れて涙隠せり 

カラカッサみたいな枯れた枝先にノジコが鳴くよ「峠に雪降る」 

流れ星 星屑のような日頃の願いが 頭の中にかすめたる 

天の川はるかな宇宙見渡してこの地球もまたその一つかな 

風呂の中の扇風機 熱きゆでだこの 顔を乾かしている 

秋の陽は優しいよ 澄んだ目をした女性が 日傘をさして バス停で済ましていたよ 

空の旅秋の鰯雲がゆくその雲影に我は憩いて 

秋声の登山の一言「やくやった」さざ波のごとく鼓動が響く 

秋めくは虫の泣き入む雨ポツリ共に跳ねれど順々来たる 

晩秋のキノコは きな臭い紫シメジ 換気口の隅で干からびてた 

秋暑き昨日までは「クーラー」と今日は「散歩」で汗かけぬける 

シマシマのチェックスカート座布団の上でゆるゆる座り居る客 

水羊羹 青年の顔 赤くして食べぬ 

朧月夜に 怪盗二十面相の 影が映るよ 

籠枕に魅せられたる それ程までの母の年輪 

死ぬも面白し 生きるも重し 

捨て猫の子恋ゆるただ親猫の涙乾いた白い塩粒 

栗並木町の道路に並びいる 畑の解脱その候までに  

梅雨入りの釈迦の石仏後ろから 後光走るよな露(つゆ)光るらん 

梅雨冷えやポタリポタリと東風の勢(せい)一粒ずつ雨粒落とす 

夏至の太陽 漫画家が へったな絵描いて 子等笑う  

観光バスでほろ酔い 御祈り帳に書いている 「空海の風景」 

観光バスでほろ酔い 御祈り帳に描く 空海の風景 

井戸の中を覗けば 水の面揺れる お水取り 

春の花がいっせいに咲いて 緑一色に変わる寸前の 鎮花祭  

強手の中を僕は生きてきた そして今温もりに支えられてる 

慈悲深鳥 大海の様な お救いの道 

青葉影緑の中に木々伸びて我は息する小下沢降りて