Utakata
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拓治
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隣り町の東山田の 「六天の魔王寺」のお寺様の苗木に お茶をそそえぎる
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寒波去り鬼柴田も負けにける秀吉の計あゝ無常なり
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霜夜には翌朝の土踏む夢よサクサク靴で鳴らす快感
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底冷えの床の上にて母の手が添えて布団を引く温もりなり
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一日一日をただ平和に 懸命に生きる! それがささやかな私の願い
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四温経て 翌「朝の扉 見て来たよ 春のドカ雪 !」 現実化したよ
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CDの売り場眼に入(い)る「オフコースミリエアム」のみ 十年聞き惚れ
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忘れ雪温泉の中君恋ゆる隣人と我眼を見合わせむ
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春一番散歩に出たるその日には隠やかな風そよそよそよぐ
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春風にゆうらり揺れる桃の枝子守りの如咲く花夢見
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冬の雨ブレザーに隠した歳時記を忘れて戻り一息つける
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温石(をんじゃく)の如 キャタツに足を伸ばし 昨日までの旅路を夢見る
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火ばちに集まった ペンションの宿人 諭快な団笑が 静かな夜を告げる
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ホダの灰がくすぶる音が聴こえて 天窓の奇麗な夜空に星が瞬く
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囲炉裏の上の窓に 雪が積もっていたよ 周りは何故か暖かい
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かぶら汁 母が作ってくれた味 柔かくて甘くて口の中でとろけるようで
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稲こぎの農業小学校は本の中 皆々喜ぶ仕舞いの挿し絵
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日溜りに黙りこくりて幼子は、木登り、コマより、「君が好きなの」
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冷たい雨降る日 兄が連れていってくれたタイヤキ屋 二人でペロリと食べちゃった
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「餅食べて!」 今年が新たな気分で 始まる気がするよ
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教室の外は今日も雪 ストーブに暖めた 母が持たせてくれた手袋を 両手にはめて校庭へ急ごうよ
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初冬を気付きもせずに何故か皆小春日の昼ゆっくり進む
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冬の陽に「時治会案内」板白く映えてこの町「きっと大丈夫」
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「黒姫の民話」の中のコスモスに見惚れる少女恋にこがれて
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毛布 軽い毛布 フワフワッの毛布 お母樣がしいてくれました
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木枯しに猫は陽だまり入りけるシッポ上げ上げニャーと甘えぬ
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木枯しに京都の街は濡れにけれ母と父とは掛け落ちしたり
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鮭おろし北海道旅す友人の詩人は書きて懐しむかな
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冬ざれに常緑樹の緑色 路面電車「出発進行」
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ハンコ押す冬の空気で紅薄く 強く二度目にいと濃くなりし
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