人に怯える人のこと馬鹿にして犬には涙ながすくせして
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みつみつと雫滴るつららかな冬の温き日にたまゆらの露
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えッ逃げた?逃げたみたいだ逃げたのか逃がしてやれよ逃げたいんだろ
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不合格通知で折れるナイフなら 今の私が研ぎ直すんだ
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平日の暗闇の中 反射した顔が轢かれる先頭車両
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過去というナイフ持った俺が来る 刺し違えても未来を守る
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君のことを忘れるのにお金がいる タトゥーみたいな愛し方をさせて
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孫の背に 花が咲きたる ランドセル どれも可愛や 祖父母のイオン
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逃げ道はすでに破滅で埋まったし血まみれの手で解答埋める
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顔見ると ことば少なく 交わす父 いつからこんなに 細くなったのか
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引き寄せて 強く抱き締め 一言。と なんどもなんども 反芻したのに
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華やかに 車両彩るラッピング 乗れて幸福感なる通勤
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耳搔きに うっとり目を閉じ 我が愛猫 癒されてるのは わたしの心
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義父は今霞む記憶の実在を日向の椅子に見つけたようだ
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何故君は 他人事かと 問うよりも 俯瞰的ぞと 褒めてほしけり
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良いことが起こるとかいう壁紙を保存しちゃうよな私かわいい
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朝顔と目配せしたり人として扱うことに慣れなかったり
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ポテサラと涙のにおいで満ちる部屋
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ちさき手を 伸ばして池に パンの屑 群がる鯉に 孫あとずさり
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降り積もる雪は世界の輪郭を白くてまるいものに変えてく
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曲面をつるりと滑る日を追えば曲率1の平面か、猫
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やさぐれて小銭取り出すこともせず重さ増してくショルダーバック
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まだ寝るの掃除も終わってないのにと 昼にわたしを蹴飛ばすわたし
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幼子がいない我が家の節分は鬼豆抜きの手巻き寿司なり
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もうふさん いまのうちニャン ひとりじめ おとうちゃん きょう てれわーくなの
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おみかんを ひとつつまんで 甘くって 幸せ気分で 眠りにつけり
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鏡面率百パーセントの月夜でも見られる確率限りなくゼロ
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ほどなくも睡魔の襲うはずなれど夜明けといずれが先か論ずる
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けふの夢 帰らぬひとにて満席のバスに遅れて挨拶などし
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ブラックの苦味覚へし冬の来る 片方だけの揃ひのカップと
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