長針の 早くも遅くも ない程の ゆったりとした せいを生きたい
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堕つ椿 それはさながら 水死体 紅の華 波の成すまま
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パープルちゃん 花の名前も分からねど たしかにここも 我が家なのだと(ただいま)
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てくてくと 歩くカラスの 一匹に ちいさな影が ついて来ている
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季節感 麻痺する程の 猛暑日の 暦の処暑は もふ既に今日けふ
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日常が一番嫌だ缶ビール二本飲み干し今日終わらせる
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休日の 楽しき午後の まどろみに やわらかく抱かれ 幸せの夢
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今日も今日とて親にシャーッと威嚇する 離れたところに行きたい
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自分でと開けたいぐずるお年頃 力が足りず吹き出るラムネ
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夏のが ピンチ背負いても笑顔みせ ただ頑張れと呟く胸熱く
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﹁別れたい﹂口つく言葉見透かされ伸ばす指先また絡ませる
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通り雨 きらきら光る 雫にも 潤い感じ 暫しの涼風
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帰京して 夫婦別姓 はんたいの幹部いる党 みらいはあるか
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今開く十年越しの単語帳 後ろの方は新品のまま
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欧米のカップル単位の 行動は なんかのエクスキューズ 同調圧力 \キリスト教敵なジェンダの言い訳か 父母子二人が一世帯とゆう時代性
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熱風や桜の枝垂しだれすり抜けて 大樹の幹も木陰で涼む
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あるーちゅうの はじめの いっぽは なつやすみ しょうがくせいでも 泡はのますな︵ビールの︶
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変色を はいだきゃべつは ちいさくて ベーコンにんじん 小鍋でポトフ
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レモン水飲み干す前にアワアワのたくさんの粒を描きとめたい
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葡萄棚 吾子わがこ抱き上げ 昔日の母と私の写真のようで
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夜の分とっておこう十分のいくつになるか数えつつ詠う
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名人を真似してみても雰囲気で何のことやら意味伝わらず
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おつカレーの会など終えて 「また来週」 竹馬の友おさななじみとは まこと良きもの>転居祝い・そのいち、キーマカレー
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ゆらゆらとクラゲみたいに揺れてく 漁の網には掛からぬように
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「あの星に連れてってあげる」地球暦百億年のある夏のこと
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きみが吐く言葉が端から死んでゆき 私の中で吹き返す息
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安全の保証に関与とか どの口が言う お前が侵略者だ露
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京都行き天気は穏やかなれば良い 否 嵐になればと回すスプーン
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履き慣れた靴で靴擦れするように得意料理でまさかの失敗
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ぶらぶらり向かいの席の幼子の 小さな靴の可愛いことか
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