新幹線のぞみが先に通過して感情が遅れてやって来る
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三人で黙って見ている番組で一人だけ笑う漫才悲し
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忘れられ一晩外に干されてたタオルはためく空の青し
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うちなびく 花のとぼそ〆切しめきりて そのりすけふぞばかりは
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週末を 少し嫌いに なったのは 君と出会ってからだったんだ
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たくづのの 白きをかぶる嶺上みねのへの 照りて目映ゆき丹澤たんざはの春
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信じてる 一つの面だけ 欲しがって 多面を見られず 今日も怯える
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人の死と老いを教える長寿銭隣家の遺影思い財布へ
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サプライズ好きは似た者師匠から手紙と色紙貰う手渡し
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ようやくに暦が弥生に変わる頃 閉じた本など読める気がする
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河津川にそいて桜の道進む露天タコ焼き呼び込みの声
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日の落ちた露天風呂より駿河湾溢れるお湯に罪悪感も
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人波に逆らい君は降りて行くギター抱えて歯を食いしばって
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蝋梅の香りに浮かぶ君のこと今年もここで立春を待つ
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年度末の駆け込み受診か混みあひて聴診器さへ外す間もなし
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飛行機を降りて感じる湿り気を、これが地元と君に話した
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真夜中に ねこ母トイレに(前まで)ついてきて 電気つけたら ビックリするねこ
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今宵また 眠れぬ吾を 悩んでも 朝訪れば 夢を追いかけ
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心臓の悪魔の鏡を取り出せず これが大人ということにする
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君が名を初めて呼んでくれた日をおぼえているよきっと死ぬまで
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ラクスにまた 逢いに行きたい キミだけは キラを裏切る ことなどないから。
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近頃は日の出る内は外に出ず夜の街見るやるせなさ
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目の粗いネットにツアー入れて 丁寧じゃないけど生きている
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LGBTQ かみんぐあうと ふえてるは いいだしやすいか 自我ー無意識 変化か /性あいでんてぃの変化は元型アニマの関係?
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いつの日か寒椿の木のその下に君を埋めよう紅いくちびる
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僕の中に 心は二つ 存在し 「進め!」「止まれ」と せめぎあっている
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よそんちの息子の髪を切っている私もよその息子の母さん
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電話する ために持ってた はずなのに ネットやメール 専用電話
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獣声 呼吸する我 恐がられ 餌は黙れよ 喰われる弱者奴ら
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いつからか「母さん床屋」来なくなり息子の頭を撫でなくなった
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