くんくんくん 「言葉」を吸って 育ってく 鼻水垂らして かわいい目して
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出なくってボディーソープのポンプとる明日はお湯で溶かして使う
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孤独を嗜むにはまだ若すぎて、気取るには老いすぎてしまった
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この瞬間ときもいつかなるかな ミニチュアのジュエリーボックス 掘り出した時と
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キミよりも我の身体を知っている整骨院の先生の手よ
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春雷と フロントガラスを滑るのは 雪と見紛う 桜の花弁
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寝室の湿度も じわり上昇し 寒の戻りは次こそバイバイ
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真夏日の明日にも被るニット帽 笑わないでね事情があるの
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土手沿いのソメイヨシノは咲いたけどほんの数輪数えるほどで
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気づいてよわたしだって泣きたいのこんなに綺麗に咲いたんだから
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はるかぜよ、もうすこしだけゆっくりとゆらしてほしい まだかえりたくない
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花びらの雪だなんて言うけれどわたし涙を流しているの
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散るなんてわたしが決めたことじゃない つらい さみしい おわりたくない
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ひび割れた窓はしっかり閉めておけ外にも内にもおばけがいるよ
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寒桜 散った萼にも雨雫 染井吉野の前座を終へて
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暖かな雨を孕んで吹く風が桜つぼみを優しく急かす /京都も開花宣言
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わかるてふこと葉のかるさ*わかるてふ気がしただけと知らない風に
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咲かないと決めた心は変わらずにあなたとだけの春を待ってる
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初咲きを歩きスマホで知るかたや角の桜の影に気づかず
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砂の中すべも無くして埋もれゆきおろおろ覚める汗ぐっしょりと
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間違いなく世界最強宇宙最強 涙の数だけつよくなるなら
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午前二時 町にひかりの雨が降りきみと逃げ込む唯一のコンビニ
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露天風呂から仰ぎ見る 空色は ゆるやかに濃く染まる夕暮れ
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柴犬でしか得られぬ栄養 尊い
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ハルウララ 覚えているか 馬の名だ のんびりいきたい 春うらら
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感情を同調させたつもりでも それ迷惑な第三者の目
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ぼくだけに笑わない優等生だけが持つみどりいろがたぶんある
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オシャレってこんなにテンション上がるんだ 気づくの遅しアラ還暦かんなのです
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「何着てこう」出勤前に悩んでる 小さな事でもめっちゃ楽しい!
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噴水で待つ還暦の母はよだかを星にした 賢治がずっときらい
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